月観るユーナ
 今年の10月6日は旧暦で言うと8月15日、十五夜である。中秋の名月である。ユクレー屋にはススキが飾られ、フチャギ(餅)が供えられてある。いつものようにカウンターでユーナを相手に酒を飲んでいると、
 「ねえ、今日十五夜だよ。月、観に行こうよ。」
 「ん、月ならここからでも観られるだろ?」
 「できるだけ月の近くに行ってみたいのさ。」
 「あー、そうか、空に浮かんでってことか。いいぜ、ちょっと行くか。」ということで、ユーナを背中に乗せて、雲の上まで行き、そこでの月見となった。
 「ウサギに変身させて。」と大きな満月を見ながらユーナが言う。
 「ウサギに変身するってオマエ、スマップのキムタクの真似じゃねぇの?」
 「いいじゃない真似でも。そんな気分なのよ。」
 「でもあれだぜ。オマエがウサギになるとバニーガールだぜ。知ってるか?バニーガールってちょっとHなんだぜ。ほれっ、変身。」
   −−−ある日のユーナとの会話−−−
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