ユクレー屋の行方
 ユクレー屋のカウンター、先週から平日はガジ丸が立っている。そのガジ丸も、マスター稼業は今週いっぱいとのことだ。
 「来週からは忙しくなるのか?」
 「あー、ちょっと旅に出る。」
 「旅って、明後日には勝さんたちも旅に出るよな、一緒ってことか?」
 「いや、俺は墓参りなんかしねぇよ。行先は全然違う。」
 「あー、そうか、いつものやつか、モク魔王と張り合っている。」
 「まあ、そういうことだ。それはそうと、勝さんたち三人、旅を前にしてまるで子供のようにウキウキソワソワしてたな。」
 「墓参りだろ?主な目的は。それでウキウキか?」
 「太郎さんはな、特に。13歳だったか、その若さで亡くなった娘さんの三十三回忌にあたるそうだ。ウキウキだけじゃなく、思い出してウルウルもしてたな。」
 「そんなことより、俺にはユクレー屋の行方が心配だぜ。マナもユイ姉もユーナも、そしてマミナもいなくなって、勝さん達まで旅だ。いったいどうなるユクレー屋。」
   −−−ある日のユクレー屋の情景−−−
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