でっかい栗の実
 いつもの週末、いつものユクレー屋、カウンターにはこのところいつものユイ姉。
 「このあいだの餅栗ぜんざいは美味かったな。」
 「皆も喜んでいたね、良かったさあ。」
 「また、作ろうっては思わないか?」
 「そうだねぇ、手間かかるからねぇ、またいつかね。」
 「うー、そうか、いつかか。まさか、来年の正月ってことはないだろうな?」
 「さあね、でも、正月には餅ぜんざい、栗の季節に栗ぜんざいでもいいね。」
 「栗の季節って秋か?遠いなぁ。」
 「でもさ、この島にも栗の木があるといいのにね。そしたら、たくさん拾って、栗の実いっぱいのぜんざい作るけどね。栗羊羹でも、モンブランでもいいね。」
 「おー、なんか想像すると楽しいな。秋が待ち遠しいぜ。」
 「でも、無いんだよね、栗。・・・あんた、想像を映像にする能力があったよね。せっかくだから、ここの庭に大きな栗の木を想像してよ。でっかい栗の実が生る。」
 「でっかい栗の実か、いいなぁ。」と、ここで話を思い出した。続きは見聞録。
   −−−ある日のユイ姉との会話−−−
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