婆さんも一花
 今日もまた2月らしい天気、ユイ姉が「すごく寒い!」と言って、なかなか外に出ない気温となる。先週も話した通り、マジムン(魔物)は寒さに強い。が、人間にも寒さに強い者がいる。マミナが冬らしからぬ格好でやってきた。いつもより早い時間だ。
 「やー、なんだ、今時分。子供達の面倒を見ている時間じゃないのか?」
 「村の人に代わってもらって、ちょっと抜けてきた。」
 「何だ、俺に用か?」
 「あんたじゃなく、ゑんちゅ小僧。」
 「ゑんちゅなら、まだ来てないぞ。」
 「今、シバイサー博士の所だよ。博士の発明品を取りに行ってる。」
 「何だ、その発明品って。」
 「何でも、若返ることのできる機械らしいよ。」
 「若返るって、それ、お前が使うのか?何でまた?・・・まさかお前、ユイ姉がもう一花なんて言うのを聞いて、自分もって思ったんじゃないだろうな?」と言う俺の問いには答えず、マミナはニヤッと笑って中へ入った。この話の続きはゑんちゅ小僧が語る。
   −−−ある日のユクレー屋の情景−−−
語り:ケダマン 2009.2.13  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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