悟りのウミンチュ（＝漁師） 　「ユーナは嫌かもしれないが、世の中には直線の街を好む人が多いと思うぜ。１と０とにきっちり分けられているから勝ち負けがはっきりしているし、１＋１は２でほぼ間違いないから損得や有利不利の計算もしやすいしな。俺もじつは人間だった頃は好きだったぜ。戦うことの好きな者には住みやすい所だと思うぜ。」 　「ふーん、ケダマンも戦いが好きなんだ。」 　「おう、こう見えても強かったぜ。」 　「今でも好きなの？」 　「いやー、もう戦いはうんざりだな。無意味なものが多いしな。それに、ここにはガジ丸やモク魔王なんて強い奴がいるし、まあ、あいつらはバケモンだからしょうがないが、人間のジラースーだってメッチャ強いぜ。しかも、人間のくせして戦いの無意味さをよく知っているんだからな。力でも精神でも勝てねぇよ。」 　　―――ある日のユーナとの会話―――

暴れ牛をなだめるジラースー 力は使わないから片手で済む。 相手の力を反射しているだけだ。 外への力はそのまま内に向かう。 自身の作用反作用で膠着状態になる。 牛はそのうち疲れてしまうわけさ。 「お疲れさん」って言ってあげるさあ。

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