青春の旅立ち
 「オメェよー、夏休みの間、ずっとここにいるのか、友達と青春しないのか?」と、マナと二人でカウンターに立って、楽しそうにユンタクしているユーナに訊いた。
 「青春って、・・・恋もしてみたいけどさ、相手いないし。」と答える。
 「あのさ、恋をしなければ人生は楽しくないよ。先ずは、いろんな男と会ってさ、話してさ、心を開いてみるのさ。そのうち、ユーナにぴったりのイイ男が現れるよ。そして、恋に落ちたらさ、自然にユーナの動物的本能も目覚めていくからね、そしたら、その本能に身を任すんだよ。それが女の生きる道さ。」とマナが道を語る。
 「うん、そりゃあ良いことだ。情欲に溺れるのは気持ちいいからな。」
 「うっ、何かケダが言うと、下品になるから嫌だね。」
 「まあ、少なくとも、踏み出さなきゃ始まらないってことだぜ。」
 「そうか、うん、そうだよね。よーしっ、私も青春するぞ!よしっ、先ずは合コンだ。ねぇ、マナ、ジラースーは日曜日に帰るんだよね?」
 「うん、午前中、だいたい10時頃に帰るよ。」
 「私も帰るよ、明日。」と、夢見る少女は、夢を実現する決意に至ったようだ。
   −−−ある日のユクレー屋の情景−−−
語り:ケダマン 2008.8.22  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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