みじゅくじゅく ユーナが帰省した。夏休みということだ。 「ずいぶん早い夏休みだな。」 「ずいぶんでも無いよ。大学の休みは長いのさ。」 「ほう、その長い休みに勉強に励めってことか?」 「自分で自分の研究したいことを研究しなさいってことだろうね。」 「そうか、で、ユーナは何を研究してるんだ?」 「なにも。まだ、自分が何をしたいっていうのは見つかってないさあ。友達には、何がしたいってはっきりした人もいるけどね。私はまだ、自分が判らないみたいさあ。」 「そうか、ユーナはまだ、未熟者ってことだな。・・・そうだ、未熟者のための塾を開いてやろう。未熟塾ってわけだ。俺が講師になってやろう。」 「ケダが講師になってさ、いったい何を教えるのさ?」 「まあ、人生の歩き方だな。それと人生の休み方もだな。」 「休み方は解るけどさ、歩き方は無理さ。人生の歩き方が未熟だった人には教われないさあ。・・・あっ、そうか。講師が未熟だから未熟塾って言うんだね。」 −−−ある日のユーナとの会話−−− |
語り:ケダマン 2008.7.4 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島 |