酔っ払ったネコ ユイ姉は今日もユクレー屋にいる。平日はマミナと、週末はマナと一緒に店を手伝っている。オキナワで飲み屋のオーナーママをしているだけあって、マミナやマナよりずっと役に立っている。また、毎日、何曲かピアノを弾いたり、唄を歌ったりしているが、さすが、年季が入っているだけあって、これも、マナよりずっと上手い。 今日もさっきまで何曲か演奏して、今は一緒にカウンターで飲んでいる。 「さっきよー、酔っ払ったネコがどーのこーのって歌っていたよな、よくは聴いていなかったが、ネコも酔っ払うのか?って言うか、ネコも酒を飲むのか?」 「そりゃあ飲むんじゃないの。ガジ丸がいるじゃない。」 「あいつはマジムンだ、その辺のネコとは違う。それに、あいつが酔っ払ったところなんて見たこと無いぜ。バーキ(ざる)なんだと思うぜ。」 「そういえばそうだね、ガジ丸は乱れないね。良い飲み方をするね。」 「それより、ネコも酔うのかって話だ。」 「ネコも酒を飲ませば酔うわよ。っていうか、あんた、私の唄、ちゃんと聴いていないでしょ。酔っ払ったネコは喩えだよ。色っぽい女のことだよ。」 −−−ある日のユクレー屋の情景−−− |
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