オキナワには悪魔がいっぱい
 「閻魔大王がいないんだったら、鬼もいないの?」
 「あー、それらもみんな一部の人間の妄想だ。」
 「悪魔とか天使とかも?」
 「そうだ。ただし、同じ妄想をする人間が多くいると、それは形になる。鬼も悪魔も天使もだいたい似たような形になって、人の意識の中に入り込んでくるんだな。」
 「じゃあ、鬼や悪魔が人間を襲うとか食べるとか、天使が恋のキューピッドになって、人を幸せにしてくれるとかなんてこともないの?」
 「そりゃあ無いな!少なくとも俺の意識の中に天使なんてのはいないな。」
 「悪魔はいるの?」
 「まあ、悪魔はな、人それぞれの意識が造り出すものだからな。善人ではない俺の中にも当然いるわな。そうそう、ユーナの故郷のオキナワには悪魔がいっぱいいるぜ。」
 「えーっ、うそー。オキナワには悪人が多いってこと?」
 「そういう訳じゃないんだが、俺が知っているのをざっと挙げただけでもウムサタン、ウカサタンなどのサタン一族。クヮッチーデービル、ワタミチデービルなどのデービル一族、イキガデームン、イナグデームンなどのデームン一族などいっぱいいるぜ。」
   ―――ある日の夜、ユーナとの会話―――
語り:ケダマン 2006.6.23 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島

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