エンマン大王
 「ねー、人間って、死んだらどうなるの?」
 「死んだら、今とは違うステージが待ってるよ。」
 「天国とか地獄とかってこと?」
 「うーん、そういうのも含まれるかしらんが、ここは天国、ここは地獄なんて分けられているわけではないよ。何て言うかな、強いて言えば、そこはどこでもあるし、どこでも無いってことかな。」
 「意味わかんない。」
 「その人の心の奥底に潜んでいた思いが、それぞれの死後の世界を形作るってことだ。」
 「じゃあ、エンマ大王なんてのもいないの?」
 「それも一部の人たちの妄想による創作だ。いるといえばいるし、いないといえばいない。俺も見たこと無いし・・・。あー、でも、俺はエンマ大王に会ったことは無いが、エンマン大王には何度か会ってるぜ。彼は形として存在しているよ。」
 「エンマン大王?・・・誰、それ?」
 「次のステージに行く人間を管理する大王で、人によっては恐いと感じるようだが、本来は優しい人。何より平和が好きだから円満。」
   ―――ある日の夜、ユーナとの会話―――
語り:ケダマン 2006.6.16 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島

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