悪人面 ある日の夕方、モク魔王がユクレー屋に現れた。 「よっ、珍しいな。」 「まあ、たまにはな、のんびりしないとな。」 「一ヶ月ぶりくらいじゃないの?何飲む?ビール?」とユーナ。 「おう、樽ごと持っておいで、一か月分飲み干そう。カッ、カッ、カッ」と笑う。ユーナは樽じゃなくて、バケツを持ってきて、 「これでどうじゃ、カッ、カッ、カッ」と笑い返す。 「ん、ユーナはモク魔王とも仲良しなのか?」 「うん、嫌いではないよ。」 「こんな悪人面していて、しかも、ガジ丸とは犬猿の仲だぜ。」 「そんな悪人顔じゃないよ。笑うとカワイイよ。威張っているけど、優しいとこあるし。」 「ほう、これでもカワイイか?」と我々はサングラスをかける。泣く子も黙る悪人二人組のできあがり。 「キャー、カッコいい。」 ―――モク魔王が珍しくユクレー屋に来た夜、ユーナを加えた会話――― |
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