ツルノゲイトウ/ケツルノデイトウ
 「お通」と言えば、宮本武蔵を慕い続けた幼馴染の「お通」が先ず頭に思い浮かぶが、確か、「ツルの恩返し」のツルが人に化けたときの名前も「お通」では無かったか。ツルノゲイトウという植物名を見た時は、「ツルの恩返し」のツルのことが真っ先に思い浮かんだ。あのツルは確か機織のできるツルであった。
 自分の羽をむしって布を織るということは芸当といってもいいのである。芸当とは「危険や困難を伴う、普通ではできないような行為」(広辞苑)のことを指すからである。だから、ツルノゲイトウと聞いて、「鶴の芸当」という漢字が思い浮かび、そこから「ツルの恩返し」を連想した私の脳味噌はごく自然であり、健全なのである。ツルが機を織る時の形に花が似ている、あるいは全体の形が似ているからツルノゲイトウという名前がついたのであろうと、名前の由来まで想像してしまった。ところがそれは違っていた。
 自分の想像がまったく的外れなんてことはよくあること。特に、恋愛の時などには頻繁にある。こっちが好きだから向こうも好きであろうと勝手に想像して、あったって砕けろ精神で突進する。想像は的外れで、結果、あったって砕けたことが、私は何度もある。

 ツルノゲイトウ(蔓野鶏頭):野草
 ヒユ科の一年生草本 方言名:ミズフサ、ヒーナ
 ノゲイトウとは属が違い、花の形も似ていない。ノゲイトウが直立型なのに対し、本種は匍匐型となる。それでもノゲイトウと名がつくのは葉の形が似ているからであろう。半蔓性となるのでツル(蔓)が頭につき、ツルノゲイトウという名。
 枝は50センチほどにまで伸び、枝先に白い小さな花をつける。開花期についての資料は無いが、文献の写真は6月、西原の公園で撮った写真は10月。海岸近くの湿地帯に多く見かける。花はそう目立たないので雑草扱いとなっている。


 ケツルノゲイトウ(毛蔓野鶏頭):野草
 ヒユ科の多年生草本 熱帯アメリカ原産 方言名:なし
 ツルノゲイトウと同属で、葉に細かい毛があることからケツルノゲイトウという名。  枝の途中にある節から根を出して広がる匍匐性植物。花は白色でツルノゲイトウより少し大きく、花数も多い。その分見た目が良く、多年生なので法面緑化に使えるのではと思うが、雑草扱いとなっている。冬場は枯れるのかもしれない。
 開花期についての記載は無いが、文献の写真は10月、西原の公園の写真は9月。11月に同公園に行ったら花が終わっていたので、秋咲きと思われる。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.12.18  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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