ノカラムシ
 前歯の、ほんの1ミリにも満たない先で、ほんの僅かな時間齧ったくらいのことではあるが、私は気功をやったことがある。気功は自然治癒力を高める。自然治癒力が高くなるということは、体の免疫力が強くなるということである。
 詳しいこと、あるいは正確なことは知らないが、気功によって免疫力が強くなるメカニズムについて私は次のように考えている。
 気功をやっていると体が熱くなる。体の隅々までが熱くなる。そのため、冬でも汗をかく。夏場だと大量の汗をかく。体の隅々まで熱くなるのはおそらく、体の隅々の毛細血管まで血が巡り、体の隅々の細胞にまで新鮮な酸素が行き渡り、体の隅々の細胞が皆、新鮮な酸素を貰って元気に活動するからであろう。体中の細胞が元気になれば、そりゃもう免疫力もたいそう強くなるに違いないのだ。血流不足が病気の元なんてことも、テレビの情報番組かなんかで聞いた覚えもある。酸素を体中に行き渡らすことが肝要なのだ。
 気功をやっていれば、花粉症に対する免疫力も強くなるのではないかと私は思っているのだが、私は花粉症になったことが無いので証明はできない。気功をやっていてもいなくても、沖縄にいる限り私は花粉症にならず、したがって、この先も証明はできない。

 花粉症、沖縄にはほとんど無いのである。何故無いのかといえば、杉が無いということもあろうが、それよりも、常に新鮮な空気が東シナ海から太平洋へ、あるいはその逆に吹き流れているので、空気が淀むということが少ないからであろう。
 いちおう、沖縄にも花粉症の原因となる植物はある。ノカラムシもその1つらしい。

 ノカラムシ(野苧):野草・繊維植物
 イラクサ科の常緑低木  方言名:ウーベー
 『沖縄植物野外活用図鑑』には名前の由来として「野茎蒸の意で、野は野生、茎蒸は茎を蒸して皮を剥ぎ取るところから名づけられた」とあり、『身近な植物図鑑』にも同様の記述があった。茎が「から」と読むのかと広辞苑を引くと、「ケイ、コウ、くき」とはあったが「から」とはない。が、しかし、「から」を引くと幹と漢字が充てられ「木のみき。草の茎。」とあった。本種は木本なので野幹蒸と字を充てた方がいいかもしれない。広辞苑ではカラムシを朝鮮語かアイヌ語の転とし、苧の字をあてている。
 カラムシはイラクサ科の多年生草本。本種はカラムシと同科同属。で、いくつかのサイトにはノカラムシも草本としてあったが、上に挙げた2冊の本には低木とある。私が実物を見て判断すれば、草というよりは参考文献にある通りの低木である。
 カラムシの野生移出なのかと思うが、資料が無く詳細は不明。参考文献によれば、本種もカラムシと同じく、茎の皮から繊維が採れる有用植物とのこと。ちなみに学名、
 カラムシはBoehmeria nipononivea
 ノカラムシはBoehmeria nivea Gaudich.f.viridula
 訂正加筆:2018.6.18

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.10.24  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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