ノゲシ/オニノゲシ
 歌姫といって思い浮かぶのは、若い人たちにとっては浜崎あゆみなのだろうか。私はしかし、彼女の歌がさっぱり理解できない。私がオジサンだからという理由が大きいのだろうが、物事を感じ取る感性にも大きな開きがあるのだろう。
 私は、もう一人の歌姫、宇多田ひかるの歌はいくらか理解できているみたいである。オジサンであっても、彼女の歌を聴いて、たまに面白いと思ったりする。彼女のお母さんの歌ならば、彼女の歌よりも、もっとずっと遥かにたくさん理解できている。
 藤圭子の歌で覚えているものが一つあって、それは、『圭子の夢は夜開く』という歌。「圭子の」とつくからには、圭子ので無い『夢は夜は開く』もあった。元歌は確か園まりが歌っていたのではなかったか。フォーク歌手の三上寛も歌っていたと覚えている。
 『圭子の夢は夜開く』は「紅く咲くのは芥子の花」と確か始まる。芥子の花は紅い、それも何か妖しい紅、口紅の紅、藤圭子がどこか妖しげな魅力を持っていたからそう思ったのであるが、まあ、とにかく、それで芥子の花という名前は覚えた。後年、その芥子が麻薬の原料になることを知って、さらに芥子の妖しげさが増した。

 今回紹介するノゲシ、オニノゲシ、調べる前はケシと関係あるのだろうと思っていたのであるが、調べてみると両者は別科であった。よって、以上の話はノゲシ、オニノゲシとは関係の無い話であった。ちなみに、ケシの花は、じつは紅色だけでなく、白、紅紫、紫などの色があるようだ。ノゲシ、オニノゲシの花色は黄色。

 ノゲシ(野芥子):野草
 キク科の一年生草本 ヨーロッパ原産 方言名:マーオーファ
 ケシ(芥子)はケシ科の植物で本種とは遠い。それでもケシという名がついているのには何か理由があるはず。花は全然似ていない。ケシの花はポピーの花みたいである。本種はタンポポを小さくしたようなもの。葉の形状が似ているのかもしれない。アキノノゲシに対し、本種にはハルノノゲシという別称もある。春によく見られるから。
 同属のオニノゲシに似ているが、オニノゲシほど荒々しくは無い。茎葉は柔らかく、食用となる。また、家畜の飼料にもなる。葉が柔らかいのでうさぎが好んで食べるそうだ。
オニノゲシに似て、葉には切れ込みがあり、根元で茎を包むようにして生えている。茎を長く伸ばし、その先に黄色の花を多数つける。開花期は春から夏。
 高さは50〜100センチ。道端や空き地、畑などに生えるよく見かける雑草。

 花


 オニノゲシ(鬼野芥子):野草
 キク科の一年生草本 ヨーロッパ原産 方言名:なし
 ノゲシはキク科の一年草。それと同属で、草丈が高く、全体にがっしりしているからオニ(鬼)とつくのか、あるいは、葉の縁がギザギザしているからオニなのか不明。
 高さ50〜100センチになり、ギザギザの葉の形状に特徴がある。道端や空き地などに生えるよく見かける雑草。特に、畑に多く見られる。黄色の花はキクに似ている。一つ一つは小さいが、花茎の先にまとまってつくので目立つ。開花期は2〜5月。
 ノゲシは若い茎葉が食用となるらしいが、本種は飼料として利用されるとのこと。

 花
 記:島乃ガジ丸 2006.3.21  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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