ニワゼキショウ
 7月中旬から沖縄は激しく暑くなる。激しい暑さは9月中旬まで続く。雨さえ降っていなければ毎週末散歩をしている私だが、この間の散歩は近所のスーパーへの往復、2、30分で済ませている。猛暑の中、若い頃は外でスポーツもしたのであるが、中年にこの暑さは辛い。体もきついが、精神的にもまいってしまう。
 涼しくなれば散歩も楽しい。真夏の時期以外はだいたい2時間ほどブラブラしている。風を感じながら、景色を眺めながらであるが、このHPを始めるようになってからは片手にカメラを持ち、鳥や虫などの動物、民家の木々や草花、道端の雑草にも目を配りながら歩いている。なので、2時間歩いても、その距離は1時間分かもしれない。
 道端の雑草にも目を配りながら歩いて、見たことの無い草があると写真を撮る。花が咲いていれば、それを見逃す可能性は低い。

 沖縄にも分布するというニワゼキショウ、小さな花だが可愛らしいので、もしもそれが散歩の途中、道端や野原に咲いていれば、私が見逃すはずは無い・・・と思われるが、まだ一度も、沖縄では出会っていない。
 追記:と書いてから6年後の2012年に出会った。写真はそれ。

 ニワゼキショウ(庭石菖):野草
 アヤメ科の多年草 北アメリカ原産 方言名:なし
 線形の葉がセキショウに似て、庭に生えることからニワゼキショウという名前。セキショウはアヤメ科では無くサトイモ科の多年草。日本、中国などに分布し、水辺に自生している。漢字で石菖、または石菖蒲と書くようにショウブ(菖蒲)に似ているところからこの名がある。ショウブはセキショウと同じサトイモ科の多年草。
 日本では本州以南、南西諸島に分布し、『沖縄植物野外活用図鑑』にも「芝生などによく見られます」とあるが、私が最初に見たのは高知竜馬空港で、その3年後には沖縄でも見つけた。高知でも沖縄でもその通り、芝地の中だった。
 高さは20センチほど。花の色は白、青紫、紫などで一日花。開花期は4〜6月。花は可愛いし、草丈も低く、立ち姿も良いのだが、雑草扱い。

 花

 花(倭国産1)

 花(倭国産2)

 キバナニワゼキショウ(黄花庭石菖):野草
 アヤメ科の多年草 帰化植物 方言名:なし
 花色が黄色いニワゼキショウの仲間なのでキバナ(黄花)とつく。
 高さ10〜20センチほど、性質はニワゼキショウと同じ。ちなみに学名、
 キバナニワゼキショウ Sisyrinchium compestre f. flaviflorum Steyermark
 ニワゼキショウ Sisyrinchium atlanticum


 ちなみに、
 セキショウ(石菖・石菖蒲)
 サトイモ科の多年草で水辺に自生する。細長い葉がショウブに似ているのでこの名がある。花は黄色、開花期は初夏。根は生薬となる。別名イシアヤメ。
 記:島乃ガジ丸 2006.8.6  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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