ナンゴクネジバナ |
これまでにガジ丸HPで紹介した植物は750種を超えている。始めた頃は「身近にある植物って500種くらいだろう」と予想していたが、考えが甘かった。まだ紹介してはいないが何者か判明している植物の写真約100種がパソコンにある。調べのついていない植物はその3倍、約300種はある。植物図鑑の完成、頂上はまだ遠い。 植物の写真は1種類の植物につき概ね全景と花の2種、時には実の写真を含め3種ずつ載せているので、これまで紹介した植物の写真は約2000枚に近いと思う。それらの写真を「それに間違いないかどうか」を調べるのは大仕事となる。記事を書くなどやることは他にたんとあるので、それは、今はできない。老後の仕事と予定している。 そんな中、首里に住むIさんから「イヌシバの花として紹介している写真はネジバナだと思います」とメールがあった。で、確認してみた。2009年12月に紹介している写真には、「犬芝 イネ科の常緑多年草 方言名:なし 踏圧に強いので運動広場に適し、耐陰性もあるので半陰地にも適する。」と説明がある。その説明文に間違いは無いが、イヌシバの花としている写真は確かに間違い、Iさんの仰る通りネジバナの花。ネジバナでもナンゴクネジバナという種であった。こういった間違いの指摘はありがたい。「それに間違いないかどうか」の確認という面倒な作業をやって頂いている。感謝。 ナンゴクネジバナの葉は根生葉でイヌシバの葉に似ている。一面芝地(イヌシバ)の広場で、他の植物が生えているなどと2009年3月(写真の撮影日)の私は考えず、単純に「あっ、イヌシバから花穂が出ている」と勘違いしたのだろう。 ナンゴクネジバナ(南国捩花):野草 ラン科の多年草 日本では伊豆諸島以南に分布 方言名:ムデクバナ、ムディクバナ ネジバナについては『沖縄植物野外観察図鑑』に名前の由来があった。「花穂がねじれていることから」とのこと。ネジバナが北海道にまで分布するのに対し、本種は伊豆諸島以南に分布ということなのでナンゴク(南国)と付いたのであろう。 「花穂がねじれている」のは確かにその通り。葉は根生葉で、その中央から1本の細長い花茎を出す。花茎の先に小さな花が螺旋状に付く。 草丈は、その花茎の高さということになるが、15〜35センチほど。畑、野原、路傍などで普通に見られる地生ラン。花弁の色は桃紅色、開花期は3月から4月。 ネジバナ(日本他、世界に広く分布)との違いは、ネジバナは花穂などに毛が密生しているが、ナンゴクネジバナは毛が無いとのこと。ちなみに学名は、 ナンゴクネジバナ Spiranthes sinensis var. sinensis ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena 花 白花種 |
記:島乃ガジ丸 2012.7.5 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 |