ナガエコミカンソウ
 コミカンソウ/キダチコミカンソウを紹介したのは今(2010年4月)から4年近く前の2006年8月のこと。それから約1年後に、ある方からメールを頂き、「キダチコミカンソウとしている写真の植物はナガエコミカンソウです。」との指摘を受けた。「ありがとうございます。確認して、後日訂正します。」と返信したのだが、後日がやっとやってきた。けして怠けていたわけではない。忘れていただけだ、うっかり。
 ガジ丸HPの、記事の一つ一つの名前を変更するというゥワーバゴゥトゥ(沖縄語で余計なことといった意味)を二カ月ほど前からやっていて、その際、記事の内容を確認するという作業もちょっとあって、で、忘れていたことに気付いてしまった。

 コミカンソウ/キダチコミカンソウの記事の中で、「キダチコミカンソウは、『沖縄植物野外活用図鑑』に1975年頃から沖縄島で見られるようになったとあるが、今では、職場の庭、アパートの畑でも、コミカンソウより本種のほうがずっと多い。」と書いたが、それは間違いかもしれない。キダチコミカンソウと思ったものの多くはナガエコミカンソウであった。キダチコミカンソウは少ない。
 近所の野良猫たちを見ていると、2、3年、早い時は1年でボス猫が交代するように感じられる。どこかからやってきた猫に、これまでふんぞり返っていたボス猫が追い出されるみたいである。新参者は概ね強いようだ。雑草もそうなのかもしれない。

 ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草):雑草
 トウダイグサ科の一年草 熱帯・亜熱帯地域原産の帰化植物 方言名:不詳
 コミカンソウが広辞苑にあり、小蜜柑草と字が充てられ、「ミカンの形に似た赤褐色で径2〜3ミリメートルの小扁球形の果さくかを結ぶ。」とある。おそらくこれが名前の由来。本種は花柄が長いので、ナガエ(長柄)と付くのであろう
 実は、私の参考にしているどの文献にも本種は載っていない。私が参考にしている文献は、新しいものでも10年以上も前もの。本種はおそらく、最近になってからの帰化植物だと思われる。全体の見た目はキダチコミカンソウに似ている。
 ちみに学名(本種の学名はネットで調べた)、
 ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus
 コミカンソウ Phyllanthus urinaria L.
 キダチコミカンソウ Phyllanthus amarus Schum.et Th.kongl

 実
 記:島乃ガジ丸 2010.4.6  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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