メジロホオズキ |
ホオズキから私はすぐに「頬杖をつく」を連想し、「名前の由来はこの辺りからだな」と想像した。が、違っていた。結論から言うと、ホオズキの名前の由来ははっきりしていないらしい。広辞苑には「語源は頬付か」とあったが、『植物名の由来』には「文月(ふづき)」からホオズキとなったのではないかとあった。 ホオズキといえば、種子を取り除いた空の果実を吹き鳴らして遊ぶのも思い出す。お父さんがそうやって吹き鳴らすのを子供達が興味深そうに見ている。子供達はお父さんを囲んで、頬杖をついている。そんな光景を私は想像する。想像するけれど、だからといって「ホオズキの名の由来は頬杖をつくから」などと大胆なことは、私は言わない。 方言名のウヮーグヮーカートーもまた、面白そうな名前で興味が湧く。で、考察してみた。ウヮーグヮーは漢字にすると豚小、小は「小さいもの」、または「可愛いもの」という接尾語で、よって、ウヮーグヮーは「豚ちゃん」、または「子豚」のこととなる。 カートーは、そのような単語が沖縄語に無いので「カー」と「トー」を分けてみた。ホオズキのことを沖縄語ではトーフナビーと言う。で、トーはその省略形。カーは皮。よって、ウヮーグヮーカートーは子豚の皮のホオズキということになる。なったけど、だからといって、「そうである」などと大胆なことは、私は言わない。・・・書いたけど。 メジロホオズキ(目白酸漿):野草 ナス科の多年草 本州南部以南〜南西諸島などに分布 方言名:ウヮーグヮーカートー 名前の由来は『琉球弧野山の花』に「はじめて採取されたものには果実に白い点があったためにこの和名がつけられたが、普通はこのような白点はみられない」とあり、それがメジロとなる。ホオズキについては、広辞苑に「語源は頬付か」とあったが、『植物名の由来』には「文月(ふづき)」からきているのではないかとあった。 藪や林縁などに生え、高さは50〜100センチになる。葉腋に1〜2個の小花をつける。花はロート状で白色。開花期は夏から秋。果実は円形で径10ミリほど、赤く熟し光沢がある。萼片が細長い10片に分かれ、赤い果実と共に目立つ。本州南部以南〜南西諸島の他、台湾、ハワイなどに広く分布する。 ホオズキと名は付くが、ホオズキは同じナス科だが属が違う。本種と同属には畑に普通に見られるイヌホウズキや、蔓植物のフサナリツルナスビなどがある。ちなみに学名、 メジロホオズキ Physalis alkekengi ホオズキ Solanum biflorum 花 実 |
記:島乃ガジ丸 2013.6.24 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編 |