クマノギク
 私が借りている300坪の畑なっぴばるにはほぼ毎日出勤し、ほぼ毎日除草している。雑草の全てを刈っているわけでは無い。カタバミ、カッコウアザミ、ハイニシキソウ、ウマゴヤシなどは背が低いので作物の邪魔にはならず、太陽光線から土面を守ってくれていると思って残している。コウブシは役に立たないが除去は無理なので放ってある。
 刈り取っているのはイネ科の類。チガヤは刈っても刈っても失くすことはできないが、畑土の乾燥を防ぐためのマルチング材として、刈り取って使っている。センダングサの類も見つけたら抜き取っている。種から生えやすく、後から後から出てきて煩いので除去。
 キク科の類も煩いのが多い。アレチノギク、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギなどは背が高く作物の邪魔になるので、できるだけ根こそぎ抜いている。ただ、春に大繁殖するタンポポは、いつかタンポポコーヒーを作りたいので適当に残している。

 クマノギクは、私の畑にはいない。匍匐して広がると文献にあり、あのウエデリアと同属であれば、畑には入って欲しくない野草だ。「あのウエデリア」と「あの」を付けたのは、広がり過ぎて煩い植物という話を何年も前から見聞きしてきたからだ。
 ただ、クマノギクを私は去年の「オジサンと美女の粟国旅」で見つけたが、私が見つけた場所でのクマノギクは控えめに生えていた。なので、わさわさするように生えているウエデリア(アメリカハマグルマ)と同属とは思わなかった。もしも、そこで見たように控えめな広がり方なのであれば、畑に招き入れても良いと思う。花も可愛いし。

 クマノギク(くま野菊):野草
 キク科の多年草 伊豆半島以南〜南西諸島に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。クマは熊、隅、球磨、球磨などの単語があるが、どれも採用するには証拠不十分。雑草扱いされているので野菊と漢字を充てたが、これも正解かどうか自信は無い。熊野地方で多く見られたから「熊野菊」かもしれない。
 海岸近くから田の畔にまで見られる低地や湿地の雑草。茎は地上を這い、節から根を出して広がり、長さ40〜60センチになる。葉は細長く切れ込みがある。
 茎の先は斜上して、先端に頭花を1個つける。頭花は径2センチ内外で黄色。開花期についての資料は無いが、文献の写真も私の写真も5月。
 学名を見るとWedelia chinensis Merr.とあった。ウエデリアというとアメリカハマグルマの別称だ。その通り同属で、南西諸島の海岸に自生するキダチハマグルマも同属。
 葉が薬用となり、いぼ取りに絞った汁を塗布するとのこと。
 記:島乃ガジ丸 2013.7.21  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
inserted by FC2 system