キケマン
 今年の大型連休中、埼玉の友人Kが遊びに来た。来る前にメールのやり取りで滞在中の計画を立てていた。初日の夜は友人Oの家でパーティーの予定であったが、Kの不祥事ですったもんだがありパーティーは中止となる。「ならば、二人でどこか飲みに行こうか」とメールすると、「訳は言えないがその日はダメ」とのこと。
 2日目に会った時その訳を訊くと、女性と飲みに行ったとのこと。女性は私も知っている、というか、私がKに紹介したHさん。「何でそれを秘密にするんだ?怪しい奴」と内心思ったが、深くは追求しなかった。よって、秘密にした理由は今も不明。
 不祥事でパーティーをダメにし、秘密裏に女と会う、その他にもKには不可解な言動が最近目立つ。東京のサラリーマン生活に疲れているんだろうと私は判断した。

 Kが帰途に着く前日の4日目、2人で勝連城へ行く。勝連城を一回りした後、津堅島へ渡る。港でKと別れ、それぞれ気ままに島を散策した。私ものんびりできたが、彼もきっとのんびりできたに違いない。のんびりは心疲れた人の薬になる。
 のんびりして都会の疲れがとれたのであれば、Kにとって津堅島散策は大いに有意義なものとなったはずだ。しかし、いつものんびりしている私の心にはほとんど影響無し。ただ、別件で津堅島散策は私にとっても大いに有意義なものとなった。

 3月にシマキケマンを紹介したが、シマ(島)の付かないキケマンも沖縄に生息するということをその時に知った。開花期は3〜5月なので、以来気にかけてはいた。でも、なかなか会えなかった。ところがそれが、津堅島にあった。あちらこちらにあった。

 キケマン(黄華鬘):野草
 ケシ科の越年草 関東以西〜南西諸島に分布 方言名:アガリンフサ(石垣)
 名前の由来、先ず、ケマンは「仏前を荘厳するために、仏堂内陣の欄間などにかける装飾」(広辞苑)のことで、ケマンソウは『沖縄四季の花木』に「華鬘に花序を見立てた」とあり、キケマンは広辞苑に「黄花のケマンソウの意」とあった。ケマンソウは同じケシ科の多年草だが、本種とは別属。同属にはシマキケマン、ムラサキケマンがある。
 海岸近くに生え、高さ20〜70センチになる。草全体に白粉を帯びる。葉は2〜3回の3出羽状複葉。茎に含まれる液汁は悪臭がする。
 長い花茎を伸ばし、花はその先に総状花序となって付く。花の形は管状で色は黄色、開花期は3月から5月。ちなみに学名、
 キケマン Corydalis heterocarpa var. japonica
 シマキケマン Corydalis balansae Prain
 ケマンソウ Dicentra spectabilis Dicentra

 花
 記:島乃ガジ丸 2013.6.4  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
inserted by FC2 system