キダチキンバイ
 近所の小学校に4坪ほどの田んぼがある。毎年時期になると水が入り、田植えされ、そして、収穫される。収穫された後は水が抜かれ、土だけとなる。
 もう5年前のことになるが、11月、土だけとなった田んぼの端に、小さな黄色い花がポツンと咲いているのを見つけた。「黄色い花で、畦などでよく見かける」と参考にしている文献にあったので、それがキダチキンバイという名の植物であることは早い時期に判明していた。2007年の8月にも現場仕事の昼休み、散歩した近くの公園で見つけている。で、すっかり、既に紹介済みであろうと思っていた。
 齢を重ねるほど、というとお爺さんみたいだが、まだそれほどの歳ではない。ただ、世のオジサンオバサンのほとんどが「齢を重ねるほど」に感じていることを私も常々感じている。白髪や皺やシミが増えたとか、老眼になったとか、疲れが取れにくいとか、傷跡が治りにくいだとか、物忘れもひどくなったとか、などなどいろいろ。
 白髪や皺やシミが増えたとかの肉体的外見的なことは、命にかかわるほどのことでは無いので特に気にしてはいない。物忘れは、キダチキンバイを紹介したかどうかも忘れているが、それだって、多少損(金銭的や時間的に)する場合もあるが、命にかかわるようなことはまだ起きていない。今のところはそうだが、これからさらに齢を重ねると、火の消し忘れなどがあるかもしれない。私は独居老人となるので、キモチシンパイ。

 キダチキンバイ(木立金梅):野草
 アカバナ科の多年草 高知県以南、南西諸島に分布 方言名:なし
 名前の由来については資料が無く不明。木立金梅という漢字も私の推測。木立は、本種の茎が直立し木立性となることから、金梅については、広辞苑にキンバイソウ(金梅草)があり、「濃黄色の花をつける。萼片は大きく、形は梅の花弁のようで」のこと。本種も花色は黄色で、形は梅の花に似てなくもない。で、金梅だと推測した。正確かどうかの後ろ盾は無いが、おそらく当たっているんではないかと思う。
 田んぼの周囲、畑、野原などのやや湿った所に生える。茎が直立し高さ40〜150センチになる。花は葉脇につき、直径2センチほどの薄い黄色の花。開花期についての資料はないが、私は8月と11月に見ている。ということで、夏から秋としておく。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.7.26  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
inserted by FC2 system