キダチイヌホオズキ
 3年ほど前、大家の家とアパートの間を仕切っているブロック塀の傍に、少しオレンジがかった黄色の、直径8ミリくらいの真ん丸い実がたわわに生っているのを見つけた。木は、高さ1メートルほどで、数本の枝が下垂していて、ちょっと見には蔓植物のようにも思われた。よく見ると、枝は蔓性では無く、実の重さで垂れ下がっているようであった。
 たわわになった実は照りもあってきれい。まるで、黄色の飴玉のように見える。食えるかもしれない。食ったら美味しいかもしれないと思ったが、知らない木なので、きれいなものには毒があるかもしれないので、冒険はしなかった。
 それから1年ほど経った頃、職場の庭で、白い小さなかわいらしい花をいくつもつけている木を発見した。しばらく経って、その木にも直径8ミリくらいの真ん丸い実がたわわに生っていて、初めは緑色だったが、やがて少しオレンジがかった黄色の、照りのあるきれいな実になった。アパートの木と同じ木だと思われた。
 今年になって、その木は、職場の庭のあちこちから顔を出すようになった。知合いの庭にも同じ木があり、近くの空地でも見つけた。最近入ってきて、蔓延り始めた新顔の植物かと、私は思ったのであるが、調べると、『沖縄野外活用図鑑』に記載があった。同書は25年ほど前の発行。どうやら、私が知らなかっただけのこと。
 さて、いかにも美味しそうなその実、『沖縄野外活用図鑑』にも食えるとは書いていない。無知な私であるが、命に関わるような冒険はあまりしない。誰か食べてみて。

 キダチイヌホオズキ(木立犬酸漿):野草
 ナス科の常緑低木 中国からインド原産 方言名:なし
 名前は『沖縄野外活用図鑑』の著者である多和田さんの命名とある。今週、別項で紹介している同属のイヌホウズキ(テリミノイヌホウズキに含む)が草本性(一年生)であるのに対し、本種は木立性(常緑低木)となるからであろう。
 ここ2、3年で多く見られるようになった。枝の先に小さな白い花を多くつける。下向きの花はかわいく、鮮やかな黄橙色の実は照りがあってきれい。それでも雑草扱いにしたのは、繁殖力が大盛で、あちこちから勝手に生えてくるから。
 高さは1〜3mになる。開花期は春から夏。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.12.13  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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