カワジサ |
「オクラレルカを見に行こう」と従姉夫婦から誘われたのは去年の4月。オクラレルカと聞いて、誰に「送られるか?」とか誰から「贈られるか?」などと私は勘違いしたりはしない。オクラレルカは時期になるとニュースになった。まだ、テレビを見ていた頃に私はそれを見たり聞いたりして知っている。大宜味村喜如嘉にオクラレルカ畑がある。 畑と書いたが、オクラレルカは湿った泥の上に生えていたので田んぼと言った方がいいかもしれない。オクラレルカの田んぼの傍には水を漫々と張った田んぼがあって、そこにはタイモが栽培されていた。田んぼは沖縄ではそう多くは無い。少なくとも私の住む近辺には無い。なので、田んぼのような環境で育つ植物はなかなか見ることができない。 オクラレルカが畑一面に咲き誇った景色を見た後、私は従姉夫婦と離れて、水田の周りを散策した。そこにはさまざまな種類の植物が生えていた。 フトイがあった。その名は知っていたがまだ写真を撮れていなかった。ミズアオイは現地の人に聞いて何者かを知ったもの、ユウゲショウはよく知っていてだいぶ前に紹介もしているが、それの白花種(普通は紫色から薄紅色)があった。 その他、写真は撮ったが未だに何者か判明していないものがいくつかある。判明しているものは上記のフトイ、ミズアオイ、ユウゲショウ、それからカワジサ。 カワジサ(川萵苣):野草 ゴマノハグサ科の越年草 北海道〜南西諸島、台湾などに分布 方言名:不詳 名前の由来、『沖縄四季の花木』に「和名は川チシャという意味」とあった。チシャは萵苣と書き、レタスの類のこと。普通の、結球するレタスと見た目は随分違うが、チシャは元々結球しない種が主流。「葉はやわらかく若葉は食用となる」(同)とのこと。見た目も違うが、チシャ(レタス)はキク科で、本種はゴマノハグサ科で種も遠い。なので、川チシャのチシャは、川辺に生えている「食べられる葉」という意味であろう。 低地の水辺や湿気の多い畑地に生え、高さは30〜50センチほどになる。茎は根元で分枝して株状となる。葉は基部が膨らんで茎を抱くように付く。 葉の脇から細長い総状花序を出し小さな花を多くつける。花は淡青色。開花期については『沖縄四季の花木』に「4月頃」とあり、私の写真も4月だが、『沖縄教材植物図鑑』の写真は11月。長い期間咲いているのかもしれない。詳しくは不明。 花 |
記:島乃ガジ丸 2013.7.27 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行 |