カスミヒメハギ
 去年の6月から8月までの3ヶ月間、そのほとんどを私は現場に出ていた。沖縄のガンガン照りつける太陽の下での肉体労働だ。非常に疲れる。家に帰って、文章を書いたり、絵を描いたりする気力はほとんど残らなかった。
 去年はまた、4月から母が入院したことがあって、週末は病院へも通っていた。母が死んで、その四十九日が終わる12月初めまではそういったことでバタバタした。
 私の勤めている職場は例年、年末から年度末にかけて忙しい。去年の12月から年明け1月中旬までは、例年に比べても非常に忙しかった。私も家に仕事を持ち帰って、正月も仕事をしていた。そしてやっと、1月下旬になって、いくらか余裕ができた。
 ということで、その頃からボチボチ写真整理をやっている。名前の判らない植物や昆虫の写真を、図鑑と見比べながらその正体を明らかにする作業をする。
 いやいや、たくさんある。中には去年では無く、2006年、2005年に撮った写真もある。どこで撮ったのかもう覚えていないものも多い。

 さて、そんな中から、どれから先に紹介していこうかと考えて、名前の比較的解りやすいものからにしようと決めて、で、カスミヒメハギが目に付いた。
 カスミと付いているが、カスミソウの仲間では無い。ハギと付いているが、ハギの仲間でも無い。「何だ解りにくいじゃないか」ということになるが、さにあらず。花がハギに似ていて、小さく、そして花の咲いた様がカスミの様に見えるらしい。解る。

 カスミヒメハギ(霞姫萩):野草
 ヒメハギ科の一年生草本 南アメリカ原産 方言名:なし
 ヒメハギが広辞苑にあり、姫萩と書いて「ヒメハギ科の多年草・・・夏、葉のつけ根に数個の紫色のハギに似た花を開く」とのこと。この「紫色のハギに似た花」からハギとなり、全体に小さい(高さ10センチ)、また、花も小さいことからヒメと付いたと思われる。本種は小さな白い花が群れて咲き、それが霞に見えるということであろう。
 ヒメハギを私は見たことが無いが、本種の花がヒメハギよりもさらに小さいということは、コバナヒメハギという別名もあることから推測できる。
 高さについての資料が無かったが、私が見たものはたぶん30センチ程度。写真は2005年12月に撮ったもので記憶が定かでない。場所は東村、これは記録にある。文献には低地の雑草とあったが、私の記録には丘の上とある。
 記:島乃ガジ丸 2008.2.5  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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