カッコウアザミ
 私は高所恐怖症というほどのものでは無いが、高い所から落ちる夢をたびたび見る。テレビで、ビルとビルの間にロープを渡し、その上を綱渡りする冒険野郎の映像を見るだけで、もしも、あれが私だったらなどと想像し、喉が渇き、手に汗をかいてしまう。
 『ふらここ』のまりこさんのブログに、スキーのジャンプについて「絶対ありえない。誰が最初に飛んだんだろう。たぶん、気絶する。想像するだけで、血の気が引く。」と書いてあったが、私も同感である。私はまた、スキーの滑降でさえ恐ろしきスポーツだと思っている。なだらかな斜面をのんびりと滑っていくのならスキーも楽しかろうに、何でまたあんな急斜面を選んで滑るのか、まったく気が知れない。調べると、滑降競技のコースの標高差は、男子で800~1100メートル(女子は500~800メートル)もあるそうだ。そんなところを滑る、というか、落ちていくのだ。まったく・・・。

 花びらが散るとき、まるでスキーが滑降するように見えるから、ということでは全く無いが、カッコウアザミという野草がある。一つ一つの花は小さいが、花茎を多く出し、その先に花をつけるので、一面が花で埋まって目立つ。畑などに勝手に生えて広がるので雑草扱いとなっているが、品種によっては花壇や鉢物の草花として利用される。

 カッコウアザミ(藿香薊):野草
 キク科の一年草 原産はメキシコ、熱帯アメリカ 方言名:シケンジョウグサ
 本種はカッコウアザミ属(Ageratum)、アザミはアザミ属(Cirsium)であるが、本種の花が、小さなアザミのようなのでアザミとつく。カッコウは鳥の郭公なのかと思ったが、シソ科の植物にカッコウというのがあるらしい。そのカッコウに葉形が似ているらしい。園芸店には属名のアゲラータムという名で鉢物があるが、それらは園芸品種。
 花色は白色と淡紫色、両方の色が同じ場所で見られることが多い。本土では夏から秋にかけてが開花期となっているが、沖縄では年中咲いている。
 高さは50センチほど。空地、道端、畑地でよく見られる雑草。

 花


 ムラサキカッコウアザミ(紫藿香薊):野草
 キク科の一年草 原産は熱帯アメリカ 方言名:シケンジョウグサ
 カッコウアザミの近縁種で、花色が紫色なのでムラサキカッコウアザミという名前。方言名はカッコウアザミと同で、シケンジョウグサとのこと。シケンジョウは試験場ということであろう。農業試験場で多く見られたから、などということであろう。
 草丈、花など全体的にカッコウアザミよりも大きい。花は茎の先にかたまってつき、全体に可愛らしく見える。花壇の草花としてもいいのではないかと思うが、勝手に生えてくるので、つまり、お呼びで無いので雑草。開花期についての記載は無いが、文献の写真は12月、私の写真は1月、冬の花のようである。

 花
 記:島乃ガジ丸 2006.3.8  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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