ジュズダマ
 ウチナーンチュ(沖縄人)でない日本人のことを一括りにして、このHPでは倭人と呼んでいるが、多くのウチナーンチュは、その一括りをナイチャー(内地人)、またはヤマトゥンチュ(大和人)と言って、何となく自分たちと区別している。その区別には貧乏であること、下品であること、知性や教養において劣っていることなどの劣等感も含まれているが、じつは、「違う文化を持っているんだぞ」という誇りもまた存在している。
 従姉の息子の嫁は倭人である。2月の中頃に親戚の告別式があって、彼女も参列した。彼女は親族の一員として建物の中におり、私は外で裏方の手伝いをやっていて、顔を合わす時間がほとんど無く、よって、その時は確認できなかったのだが、数年前に別の親戚の告別式があった時、彼女の手に数珠が握られているのを見て、驚いたことがある。法事に数珠を握ってくる人を、これまで坊さん以外に、私は見たことが無かったからだ。
 数珠を手にして告別式に参列する、というのは倭国の正式な礼法なのであろう。「さすが倭人、何においてもキッチリしている」と思い、ただでさえ背の高い彼女の姿が、なおさら凛として、カッコ良く見えたのであった。
 次の週には友人の父親の告別式があった。その時も、数珠を握って参列する人は一人もいなかった。告別式に参列するのに礼服でない(スーツでさえ無い)人もウチナーンチュには少なくない。まあ、つまりは、テーゲー(大概)なのである。形はテキトーでいいのである。それをまた、周りの人たちも気にしないのである。遺族の人たちもたぶん気にしていない。「来てくれてありがとう」と思う気持ちが強いのだと思う。
 お互いに多少のことは許しあう、という意味でいえば、そういったテーゲーも沖縄の文化の一つとして誇りに思っていい、と私は思うのだが、・・・ダメかな。

 ジュズダマ(数珠珠):野草
 イネ科の多年生草本 原産は熱帯アジア 方言名:シシダマ
 見た目はヨシに似た、何の変哲も無いイネ科の雑草であるが、ジュズダマ(数珠珠)という風流な名前があるのは何故かと不思議に思っていたら、大家の隣の空地に生えているジュズダマに実がついた。その実は、薄紫から紫、濃紺、黒などの色のついた1センチほどの大きさ。これが、数珠球に似ているところからジュズダマという名前。
 実と見えたものは、実は苞が骨質となったもので、これが果実を包んでいる。いくつもの葉腋から数本の花穂を出し、その先に苞に包まれた果実がつく。
 高さ150〜200センチになる大型のイネ科雑草。この変種にハトムギがある。
 記:島乃ガジ丸 2006.3.7  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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