ジシバリ
 畑の雑草、チガヤとハマスゲは年中蔓延っていて、量も多く、両者共に畑の雑草の王者と呼んでもいい。その専有面積はハマスゲが広いが、背の高さはチガヤなので両者甲乙つけがたく、どちらも王者の地位にふさわしいと私は感じている。
 チガヤとハマスゲは見た目可愛くない。花もまた、ちっとも可愛くない。できれば畑に無い方が良いと思っているが、両者とも、根茎が地中を四方八方に伸ばし、一面を覆うほどに広がる。根茎は地下深くまで潜る。そういうことで駆除は困難。私は諦めている。
 タンポポもまた駆除困難な雑草の一つであるが、根茎は地中を這わない。タンポポはその種で大いに蔓延る。種、フッと息をかければ空を飛んでいく、子供たちが楽しげに遊んでいるあの綿毛。子供たちを楽しませるわけでは無いが、タンポポの駆除も諦めている。花は可愛いし、タンポポの根でコーヒーを作りたいからという理由もある。

 ジシバリはタンポポに似た可愛い花をしている。同じキク科である。同科だが、ジシバリは根茎が地中を這って広がるらしい。であるけれども、繁殖力が強くないのか、私の住む周りではそう見かけない。花は可愛い、繁殖力は強くない、であれば、畑にあっても気にならないと思う。が、わざわざ入れようとも思わない。コーヒーにならないし。

 ジシバリ(地縛り):野草
 キク科の多年草 方言名:ハルンジャナ
 名前の由来は『沖縄植物野外観察図鑑』に「地縛りの意で、茎が横走する様子が地面を縛るように見えることから」とある。別名イワニガナ。地縛りという漢字表記は広辞苑にあった。地ならヂシバリとした方が良いと思うが、どの文献もジシバリであった。
 『沖縄植物野外観察図鑑』に「根茎が地中を這って広がる」とあり、広辞苑には「茎は地上を這う」とある。根も茎も横に這って広がるようだ。地際にロゼット状の葉があり、茎にはそれより小型の葉がつく。海岸の砂地や道端、畑、野原などでも見られる。
 葉は長い柄があり、葉の間から長い花茎を出し、その先にタンポポに似た黄色い頭状花をつける。開花期については広辞苑に「春から夏」とあり、文献の写真は5月で、私の写真は3月、なので、沖縄での開花時期もそれに近いと思われる。
 記:島乃ガジ丸 2013.11.12  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
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 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
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