フタバムグラ
 前回紹介したヤエムグラと、今回紹介するフタバムグラは、実物は知らなかったが、その名前だけは聞いたことがあり、ムグラという名の響きから何かモサモサした草という印象を持っていた。ヤエムグラの実物を見たとき、私の持った印象がだいたい当たっていることを知った。フタバムグラは、まだそれと判別できるものを見ていない。
 ヤエムグラは時期になるとあちこちでよく見かける。特に畑に多い。それに比べ、フタバムグラは個体数が少ないのかもしれない。沖縄の身近な植物を紹介している3冊の図鑑にもヤエムグラは載っているが、フタバムグラはどれにも無い。
 『寺崎日本植物図譜』にムグラと名の付く植物が多くあった。アカネ科に17種類の何とかムグラがあり、その内、フタバムグラと同属は4種、ヤエムグラの同属は11種あった。ヤエムグラの方がムグラの主流のようである。

 ムグラには、その音の響きから「何かモサモサしたもの」という印象を私は持っているが、気になったのでちょっと調べてみた。
 ムグラは葎と漢字で書く。広辞苑には「八重葎など、荒れ地や野原に繁る雑草の総称」とある。「葎の宿」という言葉もある。「荒れた家や貧しい家のさま」(広辞苑)とのこと。雑草が「モサモサ」と蔓延って、荒れているという印象である。

 フタバムグラ(双葉葎):野草 
 アカネ科の一年草 本州から琉球、東アジアの熱帯から亜熱帯に分布 方言名:なし
 ムグラ(葎)は「八重葎など、荒れ地や野原に繁る雑草の総称」(広辞苑)とのこと。「八重葎など」とあるから、ヤエムグラがその代表なのかもしれないが、フタバムグラという名前もよく聞く。フタバは、葉が対生することから双葉ということ。
 フタバムグラという名前はよく聞くが、身の回りの沖縄の草木を紹介している『沖縄教材植物図鑑』、『親子で見る身近な植物図鑑』、『沖縄四季の花木』には、ヤエムグラはあるが、本種の記載は無い。『沖縄植物野外活用図鑑』にあった。沖縄の低地の植物であるらしい。でも、ヤエムグラにはミンナという方言名があるが、本種に方言名は無い。
 高さは10〜30センチ。湿り気のある道端や畑などに多く見られる。8月から10月に小さな白色の花を葉腋につける。
 学名はHedyotis diffusa
 記:島乃ガジ丸 2007.5.4  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
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