ハルジオン/ヒメジョオン
 公園や街路樹に使われている樹木、民家の庭先にある花木などには興味があって、このHPを立ち上げる前から多くの種を知っていたが、雑草については、畑に蔓延って、私を難儀させる数種を除いては、道端や野原に生えているものなどにほとんど興味が無く、その知識もほとんど持っていなかった。HPを始めてから、雑草も調べるようになり、少しは知識も増えてきたが、それでも、今もって、新しい発見の連続となっている。

 職場の庭にも知らない雑草は、まだいくつもある。写真は撮ってあるが、そのほとんどが未調査のままで、名前が不明のものが多い。そんな中で、「えっ!これも雑草?」と思うものがあった。きれいな白い花は、まず雑草とは見えない。が、調べると、花壇などの植栽に使われることは無いらしいので、雑草とするしかない。
 きれいな白い花は、調べるとすぐに名前が判明した。その名前もまたカッコいい。ハルジオンという。宇宙人が出てくるようなSFアニメで、その重要な登場キャラクターの名前としても似合う。漢字では春紫苑と書く。高級な中華料理店の名前みたいだ。

 ハルジオン(春紫苑):野草
 キク科の多年生草本 北アメリカ原産の帰化植物 方言名:なし
 シオン(紫苑)という同じキク科の植物もある。シオンはシベリア、モンゴルなどアジア北東部に分布とあるので、亜熱帯の沖縄には無いものと思われる。そのシオンに似て、春咲くからハルジオンということであろう。文献には5月の開花とある。写真のものは今年6月、名古屋の東山動植物公園で写したもの。
 繁殖力が強く、どこにでも見られる雑草とある。雑草とはされているが、花は清楚な感じのきれいな白い花。蕾のときはうつむいている花が、開花すると上を向く。
 ヒメジョオンという、姿形も名前も似た植物がある。

 花


 ヒメジョオン(姫女苑):野草
 キク科の一年生草本 北アメリカ原産の帰化植物 方言名:なし
 本土では群生して強害草となることもあるらしいが、沖縄には少ないように思われる。同じ白い花ならセンダングサの方が亜熱帯の沖縄に適していて、本種の繁殖するのを阻止しているようだ。ハルジオンに対し、ヒメジオンとの別称もある。
 職場に咲いているのを初めハルジオンとしていたが、静岡のMさんからの情報で、「ハルジオンは茎が中空で、葉が茎を巻いている。逆に、ヒメジオンは茎が中空で無く、葉が茎を巻いていない。」とあった。名古屋の写真は葉が茎を巻いている。職場のものは葉が茎を巻いていなくて、茎を切ったら中空で無かった。で、名古屋のものはハルジオン、職場のものはヒメジョオン(ヒメジオン)ということにガジ丸は認定した。
 こちらは春では無く、初夏から秋の開花とある。白い花。草丈1m。

 花

 さらについでに、
 シオン(紫苑):野草
 キク科の多年生草本 アジア北東部、西日本に分布。
 記:島乃ガジ丸 2005.8.17  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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