ハナイバナ
 先週紹介したハハコグサは、実物に出会う前からその名前と、図鑑の写真からその姿を私の軟化した脳味噌に記憶していた。元より、モノごとを単純に覚えることを苦手としている私の脳味噌が、年取ると共に軟化して記憶力がさらに衰えた私の脳味噌が何故ハハコグサを記憶していたかというと、ハハコグサは名前も姿も独特だからだ。
 「独特である」と私の感性が認めない植物については実物を見て、調べて、説明文を書いて、HPに載せた後でも覚えていないことがほとんどだ。そんな植物を図鑑だけを見て覚えるなんてことは私にとって至難の業、「できません」と自信を持って言える。

 今週何を紹介するかはもう二ヶ月ほど前から決まっている。紹介順をメモしているからだが、10月5日の日付のある蘭にハナイバナとあった。はて?ハナイバナ、ってどんな植物だっけ?と写真を確認しなければならなかった。未掲載写真フォルダを開きながら、ハナイバナって「葉無い花」だったっけ?すると、桜みたいに葉が枯れ散った後に花を咲かす植物かもな、などと考える。・・・全然違っていた。
 ハナイバナは葉内花と書く、これも調べ済みで、その通り自分で書いた説明文にも記載してある。自分で書いたことさえも忘れていた。しかしそれも無理は無いのだ。ハナイバナは私にとって独特な姿ではないからだ。いや、それはもちろん、ハナイバナが悪いのでは無く、その特徴を見つけ出せない私に全責任がある。

 ハナイバナ(葉内花):野草
 ムラサキ科の二年草 日本、東南アジアなどに広く分布 方言名:ファチコーミンナ
 『身近な植物図鑑』に名前の由来があり、「葉と葉の間に花が咲くところから」で、字は花居花とか思いついたが、ここはネットの助けを借りた。葉内花とあった。
 花壇や道端、畑など日当たりの良い所に生える。茎は基部で四方に枝分かれして、匍匐して円形状に広がる。茎の長さは20〜30センチとそう大きくは広がらない。
 茎の先に数個の花を出す。花は葉と葉の間に付き、小さく、青味がかった白色。開花期について明示してある資料は無いが、私が見た限りでは年中咲いているように思える。よって、周年いうことにしておく。草全体に荒毛がある。

 花
 記:島乃ガジ丸 2012.9.30  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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