ハマダイコン
 3月(2012年)、鹿児島からの友人Nと、今年になって知りあった独身美人M嬢(嬢というほど若くは無いが)と3人で伊平屋伊是名旅へ出かけた。伊平屋伊是名はまだ私が行ったことの無い沖縄の離島であり、伊平屋では沖縄の(人が住んでいる)最北端を訪れること、伊是名では第二尚氏(琉球王朝の二番目の系統の王)の生誕地を訪れることが目的。もちろん、ガジ丸はその土地の動植物の写真を撮ることも目的にしている。
 伊平屋の浜辺に目立って花の咲いている植物があった。それは、そのちょっと前、中城の吉の浦海岸でも見ていて写真を撮ってあった。ハマダイコン。
 吉の浦海岸で写真を撮って、図鑑を見て、その日のうちにそれがハマダイコンであることが判った。判って「へーぇ」と思った。ハマダイコンという名前と、それが浜辺に生えている植物であることは以前から聞いて知っていたが、その名前から、てっきり私はダイコンに似た植物であろうと想像していた。地面に首を数センチのぞかせて、ギザギザの葉っぱをその頭からたくさん出しているダイコン。ハマダイコンはまるで違っていた。

 ハマダイコン(浜大根):海岸野草
 アブラナ科の越年草 方言名:ハマデークニ
 名前の由来は『沖縄植物野外観察図鑑』に「浜に生える大根の意味です」とあった。生育場所が海岸の砂浜や岩場、河原などとあり、特に海岸の砂浜で多く見られる。ダイコンとは同属同種で互いに変種関係(学名にvar.とつく)となっている。
 方言名のハマデークニも和名と同じ意味、ダイコンのことを沖縄発音ではデークニと言う。ちなみに、ニンジンのことを沖縄ではチデークニと呼ぶ。チは黄(島ニンジンの色は黄色)の沖縄読み。もう一つちなみに、ハツカダイコンも同属同種。
 草丈は30〜70センチほどになる。茎の先に数個の花をつける。色は淡紅紫色〜白。開花期は、倭国では春、4月からのようだが、沖縄では1月から3月。
 根はダイコンのように太くならず、食用とはならないようだが、若葉、花、つぼみ、果実などが食用となり、薬用や潤滑用油量になるとのこと。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2012.3.25  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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