ハカマカズラ
 畑の雑草でうっかり放っておくと煩いのがヘクソカズラやヤブカラシなど蔓性の雑草。アパートの畑には隣地との境界にメッシュフェンスが設けられてあるが、それらが絡みついて、同じフェンスに絡ませてあるナーベーラー(ヘチマ)の成長を妨げている。
 ヘクソカズラやヤブカラシは庭でも煩い。うっかり放っておくと庭木に絡みついて景観を悪くする。宜野湾の畑にはクロキ(リュウキュウコクタン)などの樹木が境界沿いに20本ばかり植えられてあるが、それらの蔓雑草はいつでも隙あらばと狙っていて、油断するとすぐに絡みついてくる。なので、見つけたら即引き抜くことにしている。
 蔓雑草は他にノブドウ、ツルソバなどがあり、末吉公園や浦添大公園など緑の多い公園や野原に行くとノアサガオも多く見られる。私の畑にはツルムラサキも勝手に生えてきたりするが、これは食えるし、繁殖力もそう強くは無いので許している。
 末吉公園や浦添大公園など緑の多い公園には、庭や畑ではあまり見かけない蔓性の野生植物もいくつか見られる。たとえば数年前の秋、末吉公園でタイワンクズに出会い、二年前のちょうど今頃、浦添大公園でハカマカズラに出会った。

 ハカマカズラ(袴葛):野草
 マメ科のツル性多年草 本州西部以南、沖縄などに分布 方言名:ハンチェーグヮー
 名前の由来は『海岸植物の本』に「葉が袴の形に似ているつる植物であることから」とあった。確かに似ている。そういえば、同じマメ科のヨウテイボク(ソシンカ類)もそのような形をしている。向こうは羊の蹄の形で、こちらは袴の形に喩えたわけだ。
 同書に「海岸近くでよく見られ」とあったが、私が見たのは海岸から離れた嘉数高台公園、「夜になると二つに折りたたんで眠ります」ともあった。見てみたいが、魑魅魍魎の出てきそうな夜の公園へ出かける気は無いので、これは未確認。
 茎は他のものに絡みついて数メートルまで伸び、茎の先は木の枝などから垂れ下がる。茎の先に花序を出し、多くの花を付ける。花は淡い黄色、開花期は5〜7月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.6.9  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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