アメリカフウロ
 私の畑に生えてくる雑草の種類は、そう多くは無い。カタバミ、コウブシ、オヒシバ、メヒシバ、オニタビラコ、ノゲシの類、ルリハコベ、ウシハコベ、シマキツネノボタンなどが季節季節にやってきては、私の労働の相手をしてくれている。
 私の畑に無くて、職場の庭でもあまり見ないが、道端や原っぱではよく見かける雑草も多くある。そのほとんどの名前を私は知らないが、それでも、形に特徴のある雑草は、名前は知らなくても、「あー、あの雑草だな」と存在そのものは認識している。
 それらの、存在は認識しているが名前は知らない雑草の多くも、このHPを始めてからはボチボチ名前を知るようになった。今回紹介するアメリカフウロもその一つ。近場で見ることはあまりなかったが、その存在は頭の片隅にあった。アメリカフウロの実が面白い形をしているので、「尖った奴」という印象を持っていた。

 5月のある晴れた日、散歩の途中、空地で「尖った奴」を見つけた。「尖った奴」は花も咲かせていた。小さな花。新デジカメは接写もできるので、小さな花も大きく撮ることができる。撮って、見る。思いの外清楚で可愛らしい花。尖った果実だけでも十分だったが、花も一緒に文献と照らし合わせる。名前はすぐに判明した。

 アメリカフウロ(亜米利加風露):低地雑草
 フウロソウ科の一年草 北アメリカ原産 方言名:なし
 フウロソウ科を初めて知る。フウロソウ(風露草)は「フウロソウ科の数種の植物の総称」と広辞苑にあり、日本の山地に数種が自生しているようである。
 フウロ(風露)は「涼しい風と露」(広辞苑)とのこと。そういった環境に自生している草ということなのであろう。本種はアメリカ産なのでアメリカフウロ。
 高さは15〜40センチていど。葉は5〜7に裂けて、その形も大きさもヨモギに似ている。花が咲く前はヨモギかと思っていた。薄紅色の花は小さくてあまり目立たないが、かわいい。春から夏にかけて開花する。果実が尖った形をしていて特徴がある。

 実
 記:島乃ガジ丸 2006.6.5  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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