アキノノゲシ
 テレビで、倭国の芋掘りの様子を見たことがある。蔓を手繰っていくと芋が次々と現れてくる様子。芋はサツマイモ、サツマイモは元々琉球から薩摩に伝わった(琉球へは中国から)ものだが、何故か名前はサツマイモ。そのサツマイモ、沖縄では芋蔓式に収穫というわけにはいかない。沖縄の粘土質の土では、引っ張ると蔓が切れてしまうからだ。
 キク科の植物を調べると、舌状花、管状花などという言葉が出てくる。「よっしゃ」と気合を入れて、今回、それらがどういう意味なのか調べることにした。すると、関連用語が次々と出てきた。それはまるで、芋蔓式なのであった。芋蔓式とは「一つのことに関連して多くのことが現れるさま」(広辞苑)のことだが、その通り、舌状花、管状花に関連して多くのことが現れたのである。しかし私は、それらを収穫することはしなかった。私は知識に対して欲深い人間では無いからである。簡単に言えば、面倒になったのだ。
 舌状花は「キク科植物などの頭状花序をつくる花のうち、合着した花冠が舌状に発達した花。頭状花の周辺に並ぶ」(広辞苑)とあり、管状花は「キク科の頭状花を構成する小花の一種。花弁の大部分が合体して管状をなすもの」(同)とある。頭状花序、頭状花という不明な言葉を調べる。するとまた、そこから総穂花序、無柄花などが現れる。さらにまた、無限花序、有限花序、集散花序などが出てくる。お手上げとなる。

 アキノノゲシの花は舌状花である、と文献にあったが、上述の理由から私は舌状花について深く理解していない。よって、舌状花を説明することはできない。ごめん。

 アキノノゲシ(秋の野芥子):野草
 キク科の二年生草本 沖縄に自生する 方言名:ナガディールー、インディーラ
 葉の形状がケシに似ていて野草ということからノゲシとつくが、ノゲシ(ハルノノゲシ)とは別属である。春に咲くノゲシに対し、秋に咲くのでアキノノゲシとなる。
 道端や空き地の陽あたりの良いところに生える。茎は直立して高さ50〜100センチになる。葉の形状は長楕円状披針形で羽状に分裂している。葉の基部はやや茎を抱いている。伸びた花茎は上部でいくつかに分枝し、その先に数個の花をつける。色は淡い黄色。


 ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子):野草
 キク科の二年生草本 沖縄に自生する 方言名:ナガディールー
 アキノノゲシの変種で、アキノノゲシより葉が細いのでホソバとつく。
 道端や空き地の陽あたりの良いところに生える。茎は直立して高さ50〜100センチになる。アキノノゲシの葉は羽状に分裂するが、本種の葉は披針形で分裂しない。花茎が上部で分枝し、その先に数個の花をつける。色はアキノノゲシよりさらに薄い黄色。
 記:島乃ガジ丸 2006.3.21  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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