ズッキーニ
 デパ地下やスーパーへ行くと、昔(20年ほど前くらい)はあまり見なかった野菜がいくつも並んでいる。好奇心は強い方の私であるが、しかし、食べたことの無いものはあまり買わない。料理法を知らないからである。ただし、好奇心が強い方なので、レストランなどで料理された”食べたことの無いもの”は好んで食べる。
 20年ほど前の昔、旅先の飲み屋でエシャロットなるものを食った。ロボットみたいな名前に好奇心が疼いたのだ。それはしかし、食べてみると、「なーんだ、島ラッキョウみたいじゃないか、それに、島ラッキョウの方がずっと旨ぇじゃないか。」という感想を私は持った。ウチナーンチュの多くが私と同じ感想であったのか、スーパーの店長もそう感じたのか、沖縄のスーパーでは、エシャロットをあまり見ない。

 同じく20年ほど前の昔、アメリカへ旅行したとき、ズッキーニなるものを食った。ズッキーニはフライにされてあった。これは独特の食感であった。ナスのようであるが、ナスより存在感がある。後日、アメリカのスーパーで生のズッキーニを見る。見た目はキュウリに近い。「ほほう、面白ぇ。」との感想を私は持った。その感想を多くのウチナーンチュが持っているのか、ズッキーニは沖縄のスーパーでよく見かける。で、私もズッキーニはたまに買って食べている。”たまに”は2、3年に1回位の頻度。何故かというと、似た食感なら、そこはかとない味をしたナスの方が好きだからである。

 ズッキーニ(zucchini):果菜
 ウリ科の一年草 原産地はメキシコ 方言名:なし
 zucchiniはイタリア語。イタリア語を私は知らないので、その由来は不明。「ペポカボチャのうち、地中海地方で栽培されるものの総称。」(広辞苑)とのこと。
 見た目はキュウリだが、カボチャの仲間。キュウリもカボチャも同じウリ科だが、属が違う。キュウリはキュウリ属、カボチャはカボチャ属。
 カボチャ属には最も多く栽培されている西洋カボチャ(C. maxima)の他に、日本カボチャとも呼ばれる東洋カボチャ(C. moschata)、そして、ズッキーニが含まれるペポカボチャ(C. pepo)などの種がある。ハロウィンのカボチャはペポカボチャ。
 イタリア料理で多く見るので、ヨーロッパの野菜というイメージが強かったが、原産地はメキシコ。16世紀頃にヨーロッパへ伝わったらしい。
 沖縄では既に3月頃から実が付いていたが、ネットで調べると旬は夏らしい。温帯の本土では夏で、亜熱帯の沖縄では春ということなのかもしれない。
 幼果を食用とするが、花も食べられる。花の付いた果実で、花の中に肉(ハンバーグのような)を詰めた料理を見たことがある。緑果種と黄果種がある。

 花と実

 収穫
 記:島乃ガジ丸 2007.4.17  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
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