ウズラマメ
 ウズラマメがインゲンマメの一品種であることを知ったのは、たぶん去年(記憶力が衰えているので正確ではないかも)、自分の畑にウズラマメを蒔いて、収穫して、食べて、旨い!と感動して、いったいその素性は何だ?と興味を持って、調べてから。
 インゲンというと、莢ごと食べるインゲンしか思い浮かばなかったのだが、莢ごと食べるのはインゲンマメの中でも軟莢種という種で、普通はサヤインゲンと呼ばれる。莢の中の豆を食べるのはウズラマメの他にも、金時豆や大福豆など有名どころがあった。「沖縄ぜんざいに使われる金時豆って、インゲンの一品種だったんだ!」と驚いた。
 であれば、と思いついた。金時豆とウズラマメが近縁なのであれば、ウズラマメでもぜんざいが作れるはず、煮豆も作れるはず。ということで、試してみた。
 その前に、ウズラマメの(私の)普通の食しかたは、何の味も付けずに蒸して、そのままエダマメのように食う。これがもうとても旨い。これさえあれば、ビールがいくらでも飲める。泡盛にも合うし、日本酒にもワインにも合う万能肴となる。

 話戻って、ウズラマメの煮豆。砂糖と呼べるものは、私の家には黒砂糖しか無い。前に小豆を黒砂糖で煮て失敗(黒砂糖は煮込むと苦くなる)しているので、今回はそのためにわざわざ黍糖を買ってきた。私の畑のウズラマメはもうそのほとんどが私の胃袋に収まった後、その養分を吸い取られて排出されているので、ウズラマメも購入した。
 ウズラマメの煮豆、作った結果、美味いということが判明した。料理人(私のこと)の腕が良いからかもしれないが、成分が金時豆とほぼ同じなので当然かもしれない。

 ウズラマメ(鶉豆):豆類
 マメ科の一年草 インゲンマメは中央アメリカ原産 方言名:なし
 名前の由来は広辞苑に「豆は白地にウズラの羽の斑紋に似た褐紅斑がある」とある。本種はインゲンマメの一品種で、同じく斑の入った虎豆という品種もある。
 インゲンマメというとサヤインゲン(莢隠元)がすぐに思い浮かぶ。サヤインゲンは莢ごと茹でたり天ぷらにしたりして食す。インゲンマメの中でそういったものを軟莢種といい、本種のように成熟種子が食用となるものを種実用種という。種実用種は他に大福豆(白餡の材になる)や金時豆(沖縄ぜんざいの材となる)などがある。
 栽培に関わることでもインゲンマメは分けられる。ツルありインゲンとツル無しインゲン、サヤインゲンは概ねツルあり、本種は概ねツル無し。その他、春蒔き種と秋蒔き種があるようだが、ウズラマメは(私の場合)冬に蒔いて、春に収穫する。
 ツル無しインゲンである本種は、高さも30〜50センチほどにしかならない。花は葉腋から花茎を伸ばし、1個付ける。色は淡い紫、開花期は12月に蒔いて2月頃。莢の中には4〜10個の豆が入る。熟すると豆にも莢にも褐紅斑が入る。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2012.4.6  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
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 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
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 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
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 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
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 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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