ウコン |
4月上旬、土曜日の午後、友人のKが美少女2人を連れて我が家にやってきた。美少女2人はオジサンの部屋の居心地が悪かったのか、しきりに「早く帰ろ」と父親に言う。で、カップラーメンが煮える時間も経たないうちに部屋を出る。 私の部屋のある2階から階段を下りると右手に畑がある。大家さんがアパートの住人のために提供している1区画約3畳の家庭菜園だ。5区画あって、うち2区画を私が使っている。残りの3区画は使う人がいなくて雑草がはびこっていた。 その数日前に、大家さんが荒れた3区画のうちの1区画の除草作業を行い、耕して、ついでに前の住人が植えてあったウコンを掘り返してあった。たくさんあった。 Kがそのウコンを貰っていくと言い、ウコンを袋に詰め始めた。美少女2人と私はその作業を傍で見ていた。ハエが飛んでいた。たくさんのハエだった。何事か、と見ると私の目の前に猫の糞があった。ウコンの傍にウンコだった。私の管理する畑以外に猫の糞があるのは珍しいことだ。私の所ばっかりに糞をするので、てっきり、猫は私に敵意があるのだとばかり思っていたのだが、どうやら猫は、耕した土に糞をするのが好きなようだ。ホクホクの土にホクホクのウンコをするのが、きっと気持ち良いのだろう。 Kは薬草を扱う会社に勤めている。だから、ウコンにも詳しい。ここのウコンは秋ウコンであり、この時期が収穫時で、ウコンといえば普通秋ウコンを指すとのこと。 ウコン(鬱金):薬用・香辛料 ショウガ科の多年草 アジア熱帯原産 方言名:ウッチン 名前の由来、鬱金は漢名。ただし、日本でウコンとされているのは中国のキョウオウ(薑黄)で、中国の鬱金は日本のキョウオウとのこと。導入の際に誤称されたらしい。沖縄でも誤称のままに方言名のウッチンはウコンの沖縄読み。 別名をアキ(秋)ウコンというが、春に花を付けるキョウオウの別名ハルウコンに対応して、秋に白い花を咲かせることからこの名がある。 塊根から採れるクルクミンは英名をターメリックといい、カレーの原料の一つ。カレーの黄色はクルクミンの色であり、漬物のタクアンもまたこれによって黄色に染まる。 高さは1メートルほど。インドのカレーが有名だが、香辛料、着色料として熱帯地方で広く栽培されており、国内では奄美以南で栽培されている。 薬用としては根茎を刻んだものを一般には乾して(生でも可)、それを煎じて飲む。肝臓に対し薬効があり、また、胃腸にも効くとのこと。 葉の付け根に花穂を出し、白色の苞を多くつけ、各苞に数個ずつの花を咲かす。花は唇形で淡黄色。開花期は夏と秋。近縁種にキョウオウ、ガジュツがある。 学名はCurcuma longa 花 収穫 ついでに、 キョウオウ(薑黄):薬用・染料 ショウガ科ウコン属の多年草 インド原産 方言名:ヤマウキン 中国ではウコン(鬱金)と呼ばれる。根茎は黄色で、薬用となる。春に花を付けることから別名ハルウコン。 学名はCurcuma aromatica ガジュツ(莪・莪):薬用 ショウガ科ウコン属の多年草 ヒマラヤ原産 方言名:不詳 クルクミンはほとんど含まないが、根茎は血液の浄化、血管の老化予防に効果がある。赤紫色の花を付けることから別名ムラサキウコン。 学名はCurcuma zedoaria 訂正:2013.2.11 |
記:島乃ガジ丸 2004.7.14 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 |