ウイキョウ
 今日は2007年7月26日、一日中ほぼ快晴であった。炎天下での肉体労働は今日も厳しかった。10時休み、木陰に座って皆でお茶を飲んでいると、選挙カーが我々の傍を通った。「○○です。よろしくお願いします。」と候補者の名を連呼しつつ、我々の姿を見て、「暑い中のお仕事、ご苦労様です。」なんて言ってくれる。せっかくの優しいお言葉であるが、我々は声の方を振り向かない。「煩せぇ!」と、不届き者の私は思う。
 そういえば、参議院議員選挙は今度の日曜日だ。ということで、その話になる。その場にいたのは正社員の3人と、雇用形態が皆とは違う私、元部長で今はアルバイトのN、それと、前日からアルバイトで働くことになったAさんの6人。正社員のTが、
 「昨日、家に帰ってから期日前投票に行きましたよ。」と言う。
 「何で?日曜日忙しいの?」とN。
 「いえ、社長にそうしてこいと言われたんです。自分だけじゃないです。KさんもM君も期日前投票をしています。」
 「社長の命令?って、それに何の意味があるの?」と私。
 「○○組からの依頼だそうです。期日前投票をさせることによって、票読みするらしいです。社長は、『これも営業だ』と言って、自分たちに命じたんです。」
 大手ゼネコンの政治志向が、下請け零細企業の社員にまで影響を与えるのかと、私はガックリする。日本の政治の貧しさはこういうところから来ているのであろう。
 経済界で沖縄をリードしなければならない立場の大きな会社が、このようなことをしていたんでは、それは、沖縄社会に悪いエイキョウを与えるだけである。

 さて、今回はエイキョウでは無く、ウイキョウの紹介。一ヶ月ほど前、叔父の家の庭で発見した。葉をちぎって匂いを嗅いでみる。覚えのある匂いなので、その味はどうだったか記憶に無いが、おそらく私は食べたことあると思う。ウイキョウは、政治的影響は何も持たないが、人の健康に対しては良い影響を与える植物である。

 ウイキョウ(茴香):葉菜・薬用
 セリ科の多年草 地中海沿岸の原産 方言名:イーチョーバー
 ウイキョウは広辞苑に茴香と漢字があった。生薬として古くから利用されていたらしいので、ヨーロッパから中国へ伝わり、中国で茴香と名があてられ、日本へ伝わった際に、その漢語がそのまま和語になったものだと思われる。
 方言名のイーチョーバーも子供の頃からよく耳にしているが、由来は不明。ただ単に、ウイキョウを沖縄読みしたものかもしれない。
 「欧米では重要な薬用・香辛料植物」と広辞苑にあった。ならば、その英語名も有名に違いないと思って調べた。fennelという。フェンネル、聞いたことある気がする。
 高さは1〜2メートルになるらしい。私が親戚の庭で見たものは1メートルほど。枝先に長い花序を出し、淡い黄色(文献には黄金色とあった)の花を多くつける。広辞苑にも文献にも開花期は夏とあり、私が見たのは6月の下旬。
 果実にも茎葉にも独特の香りを持つ。果実は香味料として、また、健胃などの生薬として利用される。若葉は天麩羅や汁物で食される。生の茎葉をサラダにも使う。

 花
 記:島乃ガジ丸 2007.7.26  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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