チシャ
 ガジ丸の島の登場キャラクターである少年チシャは、最初からチシャという名前があったわけでは無い。少年の名前は少女ユーナ同様、植物の名前から取ろうと植物図鑑を開いていたらサニーレタスが目に付いた。少年チシャの髪型に似ている。レタスの和名はチシャという。知者も初めから知者ではないという意味からも、これは良い名だと思った。
 少年チシャの髪型はけして、「ドラゴンボール」の孫悟空を真似たのでは無い。モサモサ髪には別に意味がある。高校生の頃というのは最も悩みの多い歳で、好きな女ができて悩んで、セックスで悩んで、友人の言動に悩むといった日常的なことばかりではなく、「生きている意味」などと死んでも解らないことにも悩んだりする。よって、いつも頭を掻いて髪の毛はボサボサになる。チシャの髪の毛は、悩み多き青春を象徴している。

 植物のチシャ、レタスもサラダナも冬野菜として毎年、私の畑に植えられる。植付け、収穫し、料理し、食うまでにオジサンの私は何も悩まない。オジサンは概ね悩まない。嫌なことがあっても首を竦めて、ただやり過ごすだけである。そして、ただ時が流れ、歳を取っていくだけである。悩まないオジサンが知者になることは、たぶん無い。

 チシャ(萵苣):葉野菜
 キク科の一年生または二年生草本 原産は中近東地方 方言名:チサナ・チサナバー
 レタスのことを和名ではチシャ、またはサラダナという。結球性のものは玉チシャ、結球のゆるいものを葉チシャという。広辞苑で「サラダナ」を引くと「結球のゆるいレタスの通称」とあるので、現在は概ね、サラダナというと非結球性のものを指している。
 方言名のチサナはチサ(チシャの沖縄発音)の菜、チサナバーはチサ(チシャ)の菜の葉ということ。ただ、私の祖母はサラダナから丸いレタスまで全てチサと言っていた。方言でチサ、和語でチシャというものが、レタスのようなものをすべてを指しているということは、私も祖母のお陰でだいぶ前から知っていたのである。
 日本でも古い時代からあるらしいが、サラダ用として栽培が普及したのは明治以降とのこと。そういえば、江戸の侍や庶民がサラダを食べている風景を、時代劇で見ない。

 レタス

 レタスの花

 サラダナの花
 記:島乃ガジ丸 2005.8.27  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
inserted by FC2 system