ステビア
 一昨年、脱サラ農夫の友人Tから乾燥させたステビアの葉を頂いた。「噛んでみ、驚くほど甘いから」とTが言ったので、家に帰ってから噛んでみた。喜怒哀楽の緩やかな私なので、さほど驚きはしなかったが、確かにとても甘かった。
 ステビアは人工甘味料として使われるとのこと。人工甘味料?って何だ?と改めて疑問に思う。「自然の植物だから人工では無いんじゃないの?」と思う。で、広辞苑。人工甘味料とは「化学的に合成した甘味料」とのこと。よく解らないが、サトウキビのように汁を搾って煮詰めて作るのではなく、甘味成分を化学的に抽出するようなものだろうか。
 人工甘味料と言うとサッカリンとかチクロを思い出す。子供の頃、お菓子やぜんざい(沖縄風のかき氷みたいな)に入っていて、チクロは特に体に害があるという噂があった。その噂は正しく、チクロは1969年に使用禁止となった。サッカリンも体に害があると聞いていたが、広辞苑には「使用禁止」とは書かれておらず、「甘味料として用いる」とあるので、今でも人工甘味料として使われているのであろう。ステビアについては、体に害があるなんて噂は、ちっとも聞こえない。

 ステビア(Stevia):甘味料
 キク科の多年草 パラグアイ原産 方言名:なし
 ステビアは学名Stevia rebaudianaのSteviaから。『薬用植物大事典』によると属名のステビア(Stevia)はスペインの植物学者ステーベ氏にちなんでとのこと。私はステビアという植物とその名前をを数年前に知ったばかりだが、広辞苑にも記載があるところをみると、もっとずっと前からあったようだ。調べると、『沖縄植物野外観察図鑑』に「1971年に糖料植物として導入された」とあった。
 広辞苑に「人工甘味料の原料として栽培」とあり、『沖縄植物野外観察図鑑』に「葉には蔗糖の300〜390倍の甘味を持つ配糖体ステビオサイド他を10%ほど含有」とあり、確かに葉を噛んでみると、とても甘い味がする。
 高さは60〜100センチ。白い小さな可愛い花が咲く。開花期、沖縄では春から秋まで長く咲いている。甘味料として用いられる。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.8.28  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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