サトウキビ
 ざわわ ざわわ ざわわ 広いサトウキビ畑は ざわわ ざわわ ざわわ
という寺島尚彦作の「さとうきび畑の唄」を元にしたドラマが昨年放映された。沖縄戦の悲惨を描き、戦争の意味を問うという点ではまあまあ良くできたドラマであった。主人公役が明石家さんまであるということが観る前から気になっていたが、その通り、彼の普段のキャラが邪魔で、また、演技が上手くない(専門では無いのでしょうがないが)ため、そのキャラを隠すことができなくて、ドラマの中での彼は時々現代の明石家さんまの顔を見せていた。お陰で私は、うまく作品に浸ることができなかった。
 明石家さんまが嫌いというわけでは無い。MCの彼は上手いと思うし、彼のギャグも好きで、彼がMCをしている番組は時々見ている。が、テレビドラマはほとんど観ない(「ちゅらさん」は観た)ので、俳優としての明石家さんまを観たのはこれが初めてであった。画面に現代の明石家さんまをちょくちょく出していたのは、重いテーマをいくらか軽くして、とっつきやすくしようとしたのかもしれないが、そして、それが功を奏してか視聴率も良かったらしいのだが、作品の出来としてはマイナスに働いていたと私は思った。

 昨年は、サトウキビ収穫のアルバイトをする若者たちを描いた映画、「深呼吸の必要」も観た。特に取り立てての感想は無いが、期限までにキビを刈らないと畑の持ち主(仲村三郎)がすごく困った状況に陥る、というのが何故だか解らなくて気になった。後日、調べた。サトウキビは12月から3月の間、製糖工場の操業に合わせて収穫する。製糖工場は各畑にそれぞれ日程を定め、その日程通り運搬用の10トンダンプを派遣する。期日に間に合わなかったキビは工場に入れることができない。結果、そのキビの持ち主はお金を得ることができない。とのことだった。映画「深呼吸の必要」は、若者たちの努力によって間に合い、ハッピーエンド。

 ウージには製糖用のサーター(砂糖)ウージと、霊前に供える菓子となるクヮシ(菓子)ウージの2種あると書かれてあるが、いかにも美味しそうなクヮシウージ、それと知って私は食べたことは無い。でも、子供の頃はウージの堅い皮を歯で齧りとって、生でよくしゃぶった。甘い汁は喉を潤し、腕白どものエネルギー源となった。

 サトウキビ(砂糖黍):農業作物
 イネ科の多年生草本。原産はインド、ニューギニア。方言名:ウージ
 甘蔗(かんしょ、かんしゃ)、または荻(おぎ)とも言う。方言名のウージはこの荻からきているのではないかとある。茎の高さ2〜3m、径2〜4cm。茎に10〜20%の蔗糖を含み、砂糖の原料となる。沖縄にとっては大切な基幹作物。
 沖縄には13〜14世紀頃に中国の福建省からもたらされたのではないかと考えられている。製糖の始まりは文献が残っているらしく、1623年、儀間真常(芋の普及にも大きな貢献をした人)が製糖法を学ばせるため福建省へ人をやったとのこと。
 たくさんの品種がある。沖縄で栽培されている8割方は同じ種類とのこと。昔は穂が開く前に収穫したと聞いたことがある。8割を占める現在の種とは違っていたのだろう。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.1.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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