ローズマリー
 私は、一人暮らしを始めた高校二年生の頃から料理する機会が多くあり、概ね一人暮らしだった大学生の頃も自炊することが多かった。大学を卒業し、実家に暮らしていた12年間ほどは、母の手料理を食べることが多く、料理するのは月に数回程度だったが、今のアパートに越して一人暮らしに戻ってからはほぼ毎日、料理をしている。
 粗食小食を心掛けるようになってからは手の込んだ料理をする機会はだいぶ減ったが、それ以前(もう何年になるだろうか、10年くらいか)は手間のかかる料理も時々作っていた。今、台所にある調味料は塩、胡椒、醤油、黒砂糖、一味唐辛子だけだが、その頃はセージ、ローリエ、ローズマリーなどの香辛料も置いてあった。
 ローリエ(月桂樹の葉)はシチューや牛肉の赤ワイン煮などに良く使った。セージはソーセージ(のようなもの)やテリーヌ(のようなもの)を作る時に使った覚えがある。ところが、ローズマリーは、台所にその小瓶があったことは覚えているが、何に使ったかは記憶に無い。その頃、ローストビーフを作ったこともある。台所にそれ用のタコ糸も以前は常備品であった。そのローストビーフにローズマリーを使ったのかもしれない。

 それら市販の小瓶に入った香辛料よりも、畑で栽培したバジルの方を私は頻繁に利用した。生の葉をサラダやスープに使い、刻んでバジリコスパゲティーなどにした。ローズマリーも畑でできる。従姉の家の庭にあり、従姉は肉や魚料理に使ったとのこと。
 そのローズマリー、「まだある?」と従姉に訊くと、「あるはずよ」との答え。せっかく生があるんだったら使ってみようと思い、見に行った。正月に従姉の家に行った時、庭が荒れているのを見ている。もしかしたら無いかもと思いつつ、ローズマリーのあった場所へ。そこはやはり、雑草天国となっていて、ローズマリーは跡形も無かった。

 ローズマリー(rosemary):ハーブ
 シソ科の常緑低木 地中海沿岸原産 方言名:なし
 ローズマリー、rosemaryと書くが、これはおそらく英名。rosemaryはまた、おそらく学名の属名Rosmarinusに由来するものと思われる。広辞苑に別名として「マンネンロウ」とあった。和名と思われるが、万年老なのか、万年楼なのか詳細は不明。
 高さは1〜2メートルほどになる。枝や葉、花に芳香があり香料として、葉は香辛料として、葉や花から採れる精油は特にローズマリー油と名があり、「シネオール・ボルネオールを含み、オー‐デ‐コロン・リキュールなどに用いる」(広辞苑)とのこと。
 品種によって違いはあるが、基本種の花は淡青色、開花期は11月から6月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2011.1.10  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
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