レモンングラス
 若い頃、お兄さんと呼ばれることが多く、オジサンと呼ばれることがたまにあった程度の若い頃、当時雑誌に連載されていた古谷光敏の「レモンハート」という漫画に触発されて、ショットワンクラブなる無認可サークルを作った。それに賛同し参加したのは高校の同級生(女性に賛同者は無く男ばかり)の数名。一人じゃちょっと手の出ない値段の高い酒(ウィスキー、バーボン、ラム、ウォッカ、シェリーなどの主に洋酒)を金を出し合って購入し、集まって、それらをしみじみ味わうという主旨のサークル。
 ショットワンクラブの活動を記録したノートがまだ残っている。そのノートを見ると、「一人じゃちょっと手の出ない値段の高い酒」で最も高いのは当時1万円だったブランデーのヘネシーXO、二番手は6000円だったバーボンのメーカーズマーク。我々が言う高い酒とはこんなもんであった。可愛いもんだ。金持ちはいなかったのだ。

 ジンも飲んだ。ジンは安い。タンカレー3000円とビフィータ2400円の2種類を購入している。ジンは独特の香りがする。それは杜松(ねず)の実の香りらしいが、広辞苑のレモングラスの説明に「ジンなどに加える」とあった。私の主観だが、そういえば、レモングラスを揉んで匂いを嗅ぐとジンを思い出さないことも無い。ジンの水割りが好きなメンバーがいて、私はジントニックが好きであった。

 レモンングラス(lemon grass):ハーブ
 イネ科の多年草 熱帯アジア原産 方言名:なし
 名前の由来について、資料は無いが想像するに易しい。レモンングラスは英語で、全体にレモン(lemon)の香りがする草(grass)だからということであろう。
 葉の長さは50センチほどで、ススキのように株立ちする。花茎は高さ150センチほど、穂は稲のように頭を垂れるので、真っ直ぐ伸ばせば180センチほどあるかもしれない。開花期は夏と文献にあったが、私の畑では12月からで、今も着いている。
 熱帯植物なので寒さには弱いらしいが、沖縄ではほとんど問題無し、一年中葉を茂らせている。乾燥にも風にも負けない強さを持っている。
 柔らかい茎は刻んでサラダにでき、葉は生でも乾燥させても、刻んで煎じてハーブティーとして利用する。香料原料の精油が採れ、香水や石鹸の材になる。

 穂
 記:島乃ガジ丸 2013.4.8  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
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