ニガウリ
 例年に無く長ーく続いた梅雨のせいで、4週間ばかりも畑仕事ができなかった。畑は雑草に覆われて無残な姿となり、まだ5、6株は残っているはずの島ラッキョウが、草に埋もれて見えなくなってしまっていた。ニラも雑草の中でヒョロヒョロしている。
 畑が雑草に覆われていても無関係に生育してくれる野菜がある。つる性のゴーヤーとナーベーラー(ヘチマ)。2つともフェンスに這わせてあるので、地面が雑草だらけであっても一向に構わないのである。ナーベーラーはまだ植えて時期が浅いので、実をつけるまでには後2、3週間は必要であろうが、ゴーヤーはもう実をつけていて、既に1本は私の腹の中に収まり、尻から出された。ゴーヤーそのものはしかし、長ーく続いた雨のせいで成長が順調でない。例年ならもう5、6本は収穫している頃なのである。
 日光不足は、ゴーヤーが大きくなるのを妨げるが、細胞の老化については妨害しないらしく、先日ふと気付いたら、25センチばかりになった1本のゴーヤーが熟して、黄色くなっていた。こうなると食えない。収穫時期を逸してしまったのだ。捨てた。

 ゴーヤーは苦い。もぎたてだろうが苦い。その苦味がまた食欲をそそる。チャンプルーも天ぷらも美味しいが、私の好みは生で食すゴーヤー酢。畑のゴーヤーは無農薬有機栽培の、私が保証する安全野菜なので、たいてい生食する。収穫が多い場合もスライスして、塩揉みして、水を切って、冷凍保存する。これは、何日経っても解凍すればシャキシャキの歯ざわりが残る。ゴーヤーは苦い、が、塩揉みゴーヤーはその苦さも控えめになる。

 ニガウリ(苦瓜):野菜
 ウリ科の一年生蔓草 熱帯アジア原産 方言名:ゴーヤー
 熱帯アジア原産で、沖縄では中国から渡来した。暑さに強い植物で、ヘチマやオクラと並んで沖縄の夏野菜の最上位にある。収穫も夏の時期が最も多い。
 今や、全国的にゴーヤーとして知られているが、和名は苦瓜。が、実は、本名はどうやら茘枝というらしい。ライチの実の成るあの果樹の名と一緒で、読み方も「れいし」。その名前は私も小さい頃から知っている。母親がたまにゴーヤーのことを指して、「れいし」とか「にがれいし」とか言っていたからだ。広辞苑には別称として「つるれいし」とあった。
 熟した果肉は甘いらしいが、青い内に収穫し野菜として食す。収穫は春から秋まで。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.7.5  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
inserted by FC2 system