モチキビ |
甘藷(サツマイモ)を常時栽培しているので、食うのには困らない。畑にはウコン、グヮバなどがあり、ウコン茶、グヮバ茶など作ってお茶にも困らない。野菜もいろいろ採れるので取り敢えずこれで生きては行けるが、生きるには楽しみも必要。 タバコは、無いなら無いで済ませられるが、口寂しいと思ったらヘチマの茎(乾燥させてタバコの代用になる)でも吸っていればいい。問題は酒、酒は私の楽しみの大きなもので、「無いなら無いで済ませ」たくない。自給しようと考えている。 甘藷は酒の材になる。それで酒作りをと考えないでもないが、甘藷は主食であり、「私の命の糧」という地位に置いているので、そう簡単には他の用途にしたくない。で、酒の材になる他の穀物を栽培しようと計画している。 つい最近、キクイモが酒の材になることを知って喜んだが、芋系では無く、ビール、日本酒、泡盛などのようにイネ科系の酒も欲しい。米や麦などを考えているが、キビもその候補の一つ。栽培しやすいのはどれか、酒を醸造するのが簡単なのはどれかなどを考慮して、何を栽培するか決めようと考えていた。考えていたが、取り敢えずキビ。 何故キビ?かというと、モチキビの実が今手元にあるから。一昨年の与那国・八重山諸島オジサン二人旅で、同行の友人Kが波照間島で購入し、私にくれたもの。 モチキビとはキビ(黍団子のキビ)のうち、実に粘り気があるもの。雑穀の一つ。雑穀なのでおそらく栽培しやすいと思われる。しかも、「酒の原料になる」と広辞苑に書かれている。これを畑に播こうと考えている。購入したのは一昨年の秋、1年半も経って既に消費期限は過ぎている。その実が発芽するかどうかは全く確信が無いが。 モチキビ(糯黍):穀物 イネ科の一年生作物 インド原産とされている 方言名:マージン 名前の由来、キビが広辞苑にあり「キミ(黍)の転」とのこと。キミという発音がキビに転じるのは何となく理解できる。遠い未来に「僕はキビのことが好きだ」という青年が現れても不思議では無い。しかしながら、ではキミ(黍)は何か?というとこれは不明。中国語の発音が日本ではキミと聞こえたのだろうか? キビは黍団子のキビで、うるち種ともち種があり、モチキビはその内のもち種のこと。中国ではモチキビに黍、ウルチキビに稷の字を充てる。日本では総称して黍。モチキビはその名の通り実に粘り気があり、これが黍団子の材となる。 棹長は100~170センチ、基部から2~3本に分かれて茎を出し、それぞれに穂をつける。穂は夏から秋にかけて茎の先にでき、花が咲き、実がなる。 中国では古くから主要な穀物の一つで、果実が食用となる。果実の栄養価値は米や麦に劣らず香りも良いが、味は米麦に劣るとのこと。果実は穀物として食用になる他、餅菓子の材になり、酒の原料になり、また、家畜の飼料にもなるとのこと。 穂 |
記:島乃ガジ丸 2013.4.9 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行 |