キュウリ
 今年も畑にヘチマを植えた。1株目は虫(ウリハムシ)に食われて、枯れてしまった。2株目も同じことになって、そこではたと気付いた。そう言やぁ、去年も同じことを繰り返していたのだ。去年は苗を植えては枯らしを4回ほど繰り返した。5株目くらいになって、やっと実が付くほどに成長したのであるが、それは、農協から買ってきた苗をそのまま畑に植えていたのを、ウリハムシのやってこない場所(網に覆われたベランダ)で、ある程度成長するまで育て、それから畑に定植したのであった。葉を多く付けていれば、ウリハムシもその全てを食い尽くすことはできないというわけである。
 そんなことを思い出したのであるが、しかし今年は3株目をそうしなかった。農協に3株目を買いに行った時、ふと、別のウリに目が留まる。とっても有名なウリであるが、私の畑ではまだ育てられたことの無いウリ、キュウリ。冷蔵庫にチリメンジャコがあったのを思い出し、「そうだ、キュウリとチリメンジャコの和え物で、今宵は日本酒だ。」と決め、キュウリの苗を1株購入する。・・・もちろん、キュウリの苗の葉をちぎって、それをチリメンジャコと和えるのでは無い。私の脳味噌の中では、十分育って、たくさんの実をつけたキュウリが映像として浮かび、それを収穫して、千切りにして、チリメンジャコと和えて、ポン酢をかけて、・・・などと連想しただけの話である。

 キュウリは、私の連想通り、十分に育った。元々丈夫なようである。ウリハムシの食害など痛くも痒くも無いようである。その一株から6本ばかりを収穫し、美味しく頂いた。まったく、いつも思うことであるが、自然の恵みには感謝するばかりである。
 6本収穫した時点で。小さな実が3本あり、花も数個つけていた。ところが、その小さな実は大きくならず、花は実に変身しなかった。台風が来たのである。暴風圏には入らなかったが強い風が吹き荒れた。それから1週間後にキュウリは枯れた。調べたわけではないので確かかどうか自信は無いが、おそらく、強い風で枯れたのでは無く、塩害なのだと思う。海から離れた首里の地で塩害?・・・台風の風は首里へも潮風を運ぶ。

 キュウリ(胡瓜・黄瓜・木瓜):果菜
 ウリ科の一年草 原産地はインドとされている 方言名:キーウィー
 花が黄色いからでは無く、よく見知っているあの緑色の細長い果実が、熟すると黄色くなることからキウリ(黄瓜)、それが変化してキュウリという名。
 インド原産で、西部アジア地域での栽培は3000年以前とされており、日本へは6世紀頃、中国から。沖縄へはいつごろか不明だが、同じく中国からと考えられている。
 元は夏野菜だったようで、初夏に黄色の花をつけ、夏に収穫する。現在では春系、夏系など数多くの品種があり、沖縄ではほぼ周年収穫できる。
 黄色く熟さないうちの若い果実を食べる。主に生食するが、漬物にも利用される。中華料理には煮たり焼いたりしたキュウリもあるらしい。

 花
 記:島乃ガジ丸 2006.10.6  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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