コリアンダー
 社会人になってからは仕事関係の本がほとんどで、文芸書の類は年に1冊読むかどうかで、ここ10年でいうと、たぶん1冊も読んでいない。そんな私だが、中学から高校、浪人時代にかけては本をよく読み、その中には文芸書も多くあった。
 SFが大好きで、その類の本が半分以上だったと思うが、高校、浪人時代には当時流行っていた作家の本も多く読んだ。多く読んだはずだが「何というタイトル?」と問われてもほとんど覚えていない。作家名も遠藤周作、北杜夫、安部公房・・・もっといたはずだが、あとは出てこない。遠藤周作は「弧狸庵・・・」、北杜夫は「ドクトルまんぼうの・・・」とかいうタイトルの作品があったと記憶している。

 先日、高校の同級生だった、当時は美少女のK子が畑を訪ねてきた。畑をくまなく歩き回って私にあれこれ訊く。畝の1つに植えられている野菜を見て、
 「これ何?」と尋ねる。私はすぐにその名を答えたのだが、すぐにダジャレを思い付いて「韓国人だー」って言えば良かったと後悔した。そして、またすぐ「遠藤周作だー」なんて言っても解らないだろうなぁとも思った。その時、遠藤周作が頭に浮かんで、ついでに北杜夫も浮かんで、「若い頃は読書したなぁ」と思い出したわけ。
 親父ギャグはその後すぐにもう一つ思いついた。
 「これ何?」
 「こりゃ何だーと訊いてくれないか?」
 「ん?なんでよ、どういう意味があるの?」
 「まぁ、とにかく、こりゃ何だーって訊いて。」
 「こりゃ何だー?」

 コリアンダー(coriander):葉菜・ハーブ
 セリ科の多年草 原産は北アフリカ、西アジア 方言名:なし
 名前の由来、資料が無く詳細は不明だが、コリアンダー(coriander)は英名で、学名のCoriandrumから来ているものと思われる。
 和名はコエンドロと文献にあったが、広辞苑でコリアンダーを引いても「コエンドロに同じ」とある。コエンドロはcoentroでポルトガル語。別名に香菜、パクチーなどとあり、香菜はシャンツァイと読み中国語、パクチー(phakchi )はタイ語。
 広辞苑に「特異な香気」とあり、『ハーブを楽しむ本』には「カメムシのような特異な香り」とあった。カメムシは別名ヘッピリムシという通り臭い虫。茎葉にそのような香気がある。そんな特異な香りのする葉は生で料理に用い、種はカレー、スープ、ソーセージなどの香り付け、ピクルスの風味付けに利用される。
 高さは30〜60センチ。小さな花をまとまってつける。色は白、開花期は夏。果実は薬効があり、「穏やかな鎮静作用があり、消化を助ける」とのこと。

 花

 収穫
 記:島乃ガジ丸 2014.5.14  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
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