カブ
 ここ二ヶ月ばかり、雨天で畑仕事が休みの場合、暇さえあれば昆虫の勉強をしている。図書館から借りた図鑑を眺め、あるいは、図書館へ行って大きな図鑑を眺め、撮った写真の虫たちが何者であるか判明させる作業をやっている。
 「春は虫たちが活発になる季節である」ことが今年になってよーーーく解った。今、畑には虫がウジャウジャといる。去年の春も虫たちはウジャウジャいたであろうが、去年は畑仕事そのものに集中して、虫たちを観察する余裕がなかったのだと思う。

 虫、詳しく調べなきゃいけないと認識したのは、レタスに虫が多くついてほとんど売れなかったこと、シマナー、ダイコン、カブなどが虫に食われほとんど収穫できなかったことを経験し、「虫を何とかしなきゃ農夫は生きていけない」と思ったからだ。
 シマナー、ダイコン、カブにつく虫は判った。4種いた。ニセダイコンアブラムシ、ヒメナガメ、キスジノミハムシ、ダイコンハムシ。アブラナ科は虫たちにとって御馳走のようで、キャベツやカリフラワーにはモンシロチョウの幼虫も多くつく。
 シマナーにはヒメナガメ、ダイコンにはニセダイコンアブラムシが多く、カブにはキスジノミハムシが多いということに気付いた。それぞれの好みの問題なのか、季節の関係なのか、先着順なのかは不明だが、むろん、それぞれ他の虫も着く。

 カブは去年の11月からこれまでに半坪ずつ4回、種を播いているが、ほとんど成長しないまま消えてなくなっている。ごく小さなもの5個を何とか収穫できただけ。カブは私の好物なので、虫に負けても負けても挑戦し続けている。これからも挑戦する。殺虫剤を使わずに虫を防ぐ方法もいくつか試している。「きっと勝つ、勝ってカブをたくさん食ってやる」という意気込みだ。何しろ、カブは旨い。日本酒の肴に適している。

 カブ(蕪):根菜・葉菜
 アブラナ科の一・二年草 地中海沿岸〜西アジア方言名:インディー
 名前の由来は資料が無く不明。かぶ(蕪)を広辞苑で引くと「一説に「かぶら」の女房詞「おかぶ」から」と名前の由来らしきことが書かれてあった。で、「かぶら」とは何ぞや?と調べる。「かぶら」は根茎と書き「植物の茎の下部のふくれた所の称。株」とのこと。カブの肥大根を「かぶら」と呼び、「おかぶ」→「カブ」となったのであろう。
 根と葉を食用とする。根の形は円筒形、球形、扁球形などあり、色は白、赤、緑、紫など様々な品種がある。東洋系では大カブの聖護院、葉を主に食用とする野沢菜があり、洋種系では小カブの金町などがあるとのこと。
 生育気温は15度〜20度と冷涼な気候を好む。温かいと根の肥大が悪く、病気にかかり易いとのこと。特に注意する病害虫として、アブラムシによって伝染されるモザイク病があり、そして、私の畑でもカブを活発に食害しているキスジノミハムシがある。
 花は十字型の黄色、開花期は2月から4月。

 収穫
 記:島乃ガジ丸 2014.5.18  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
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