インゲンマメ
 私は概ね年に2回、旅をしている。そのほとんどが国内で、一人旅である。国内は、土地の人と会話ができるという理由。一人旅は、気ままであるという理由。土地の人と話ができて、気ままな旅はとても楽しい。大好きな趣味となっている。
 その大好きな趣味を、今年はまだやっていない。貧乏人の私から金を借りて返さないという不届き者がいるという理由もあるが、母が病床にあるという理由が大きい。
 それはさておき、大学の頃の5年間、約1500日と、それ以降の4、50回の旅による約200日を、私は沖縄以外の都道府県で日を送っている。というわけで当然、その期間沖縄以外の都道府県で三度の食事をしている。その食事で、日本料理の代表である天麩羅は、私の好物でもあるので何度も口にしている。天ざるなんてのをよく食べる。
 沖縄以外の都道府県で何度も口にしている天麩羅だが、インゲンマメの天麩羅を、私は沖縄以外の都道府県で食べたことが無い。インゲンマメの天麩羅が無いのか、あるにはあるが、あまり一般的では無いのか、あるいは、たまたま私が出会えていないのか不明。

 インゲンマメの天麩羅、沖縄では最もよく見る天麩羅の一つとなっている。盆正月の供え物に入っているし、どこのスーパーでも惣菜として置いてある。魚天、イカ天、野菜のかき揚げ等と共に人気のある天麩羅である。私もよく口にしている。
 私の好物であり、天麩羅以外にも炒め物、和え物などでよく食っているインゲンマメであるが、私は私の畑にインゲンマメを植えたことが無い。農協にインゲンマメの苗が無いからだ。その種が袋入で売られている。種は多く入っており、多く植えるほどのスペースが私の畑には無いのだ。5、6粒植えて、残りを無駄にするのは勿体無い。

 インゲンマメ(隠元豆):果菜
 マメ科の蔓性一年生草本 中米原産 方言名:なし
 名前の由来は、「隠元が明からもたらしたものという」と広辞苑にあった。隠元は江戸時代初期に渡来した明の高僧。
 若い莢が食用となる。煮物、炒め物などにするが、沖縄では天麩羅をよく食べる。スーパーの惣菜にもインゲンの天麩羅はポピュラー。
 世界で広く栽培され、いろんな料理に使われる。菓子の原料ともなる。日本では北海道が主産地とあったが、沖縄での生産量も多い。露地栽培、ハウス栽培があり、近所のスーパーでは沖縄産が年中見られる。茎葉は飼料になる。
 広辞苑には秋に結実とあったが、沖縄では露地栽培で、秋蒔きが10月下旬からの収穫で、春蒔きが3〜4月の収穫となっている。いろいろな品種があるようで、私が見た写真のものは7月の結実であった。筋無しインゲンを私はよく利用している。

 花1

 花2、友人Kによると黄花が雌花。

 実
 記:島乃ガジ丸 2007.9.9  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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