ザクロ
 沖縄にいながら沖縄産の果物を食べる機会があまり無い。年間を通して食べているバナナ、グレープフルーツ、キーウイ、アボカドは外国産、イチゴ、カキ、サクランボ、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ、サクランボ、ミカンなど季節の果物は本土産。沖縄産のもので、買って食べているものは夏のパイナップルと冬のタンカンくらいとなっている。
 近所のスーパーで良く見かける沖縄産の果物はパイナップル、タンカンの他に、島バナナ、スイカ、ライチ、リュウガン、グァバ、マンゴー、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、パパイヤなどがあるが、それらのいずれも買って食ったことはほとんど無い。ただ、親戚、友人知人からの貰い物として、年に1、2回は食している。
 以上挙げた沖縄産果物の中で、パパイヤは民家の庭に植えられているのをよく見かける。が、パパイヤは果物でというより、野菜として食べることが多い。ウチナーンチュの多くはそうだと思う。

 民家の庭でよく見かける果物がもう一つある。ザクロ。これは、食べるとすれば果物として食べる。が、あまり食べない。食べないのにも関わらず庭によく植えられているのは、庭木として価値があるから。果物としての価値は低いようだが、薬用としての価値はあるらしい。

 ザクロ(石榴):果樹、庭木
 ザクロ科の常緑中低木。原産は地中海からヒマラヤ地帯。方言名:ザクル
 漢字では、榴だけでもザクロと読み、ザクロおよびザクロの実を表す。
 ザクロは古い時代に原産地から世界の暖地へ広がり、沖縄でも古くから栽培されていたようだ。花期は5月から12月と長く、したがって、果実の収穫期間も9月から翌年の3月までと長い。甘酸っぱい味は悪くはないが、種が多いので食感が良くない。そのせいか、果物として生の果実がスーパーなどに並んでいるのは見たことがない。ジャムやジュースなどにしているのだろう。
 せいぜい3mほどの高さにしかならず、自然に形が整うので庭の添景木として用いられる。柔らかそうな枝葉はそよそよと風になびき、涼しげである。

 実
 記:島乃ガジ丸 2004.10.27  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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